コメッセージ No.72
「えぇ?どうして....?」って、.....それはね、ちょうど稲の種まきが終わって1~2週間経って、葉っぱや根ががどんどん大きくなって自分の力で地中の養分を吸収して、自立していこうという時だからです。
それまでは種籾の中に蓄えてあった栄養で根や葉っぱが大きくなっていたのです。あまりの好天や暖かさはポット(直径1.5cm、深さ2cmぐらい)の中の土の水分をどんどん奪ってしまい出芽間もない苗がしおれてしまいますし、水分があればあったで今度は節操もなく伸びてしまい、いわゆる軟弱徒長(なんじゃくとちょう)苗になってしまうのです。
寒さはビニールハウスをピタッと閉じればなんとかしのげますが、暑さはいくらビニールをすかしたり(風が通るように隙間をあけること)前後の戸を開放しても、外気温以下にはならないのです。
とにかくバカ陽気の時にはハウス管理に右往左往で、地べたに寝そべってうたたねをしている”にゃんこ先生=コメッセージ70号参照”を横目でうらやましげに眺めているといった案配なのです。
それでこの暖かさで先月27日、我が家の庭の桜がとうとう開花してしまいました。母が言うことに、「今まで一番開花が早かったのは、確か5月の3日だったと思うけれども.....」、ということはやっぱり家でも1週間は記録更新で早いんだ。
確かに寒いよりも暖かいほうがいいには違いないけれども、それでも近年毎年のように暑さに関する記録が塗り替えられていることに、ちょっと不安を覚えませんか?
例の地球温暖化というやつですよ。
燃料の使いすぎで大気中の二酸化炭素濃度が高くなると温室効果が現れ、まぁ地球全体がハウスに入ったような状態になるらしいのですが......
まてよ、ということは将来ビニールハウスが無くても苗が作れるかも....なんてバカな想像する前におそらく生態系が完全に狂って生命の存続すら危ぶまれるようになるということです。
なんとか有効な対策をと省エネやら代替エネルギーの開発に官民あげてあちこちで取り組みがなされているようですが、どうも我が家の前の国道274号線を見る限り????です。最近増えた3連休とか、お盆、正月、とくに今月初めのゴールデンウイークなど、その車の多さにただただびっくり。
こんな田舎ですら数百メートルの渋滞になることもあり、日本の国中、いや世界の国中でいったいどれほどのとてつもない数の車が走っているのだろう。省エネ車、代替エネルギー車の開発、普及は思いの外、進んでいないようだし、それよりなによりいっぱい作ってどんどん売らなくっちゃ景気がさっぱり良くならん。
まずは天気が良くて暖かければ人は外に出たがる。 んでそれじゃファミリーでドライブでもするかということになる。 ガソリン満タンにして、コンビニで弁当買って、どこぞで花見、帰りにおみやげ少々.....人が動けばお金も動く。 お金が回れば景気も良くなる.....やっぱりあったかくなきゃ!....。
「地球温暖化」と「良い天気」は無論別物ですが、あったかい好天の休日を楽しむのにいちいちエネルギー消費のことまでは考えませんよね。
しかし....
昔、中国に杞(き)という国があって、いつもその国の人々がいつか天(空)が落ちてきたらどうしょうと心配していたそうですが、ありもしないことで取り越し苦労するものと嘲笑を込めて「杞憂(きゆう)」と言ったようです。
....ことここに至った現代、できるだけ多くの”杞”国民が求められてきているんじゃないかと私は思います。
またまた天気の話で恐縮です。 天気が良すぎても困ると前述しましたが、その好天のおかげで農作業だけはまずまず順調に経過しています。
需要の減退から極端な安値で産地廃棄された「たまねぎ」は4月中におおかた移植が終了したようですし、セーフガード(輸入規制)がはずされ価格暴落の懸念のある「ながねぎ」も5月に入って移植最盛期を迎えています。
収穫してみるまでわからない”バクチ”のような農業の生産現場の仕事だけは暖かさと同時進行で着実に進んでいます。
投稿者:taka-farm