コメッセージ 121号
田植えも2/3ほど終わり、そろそろゴールも見え始めた5月28日、とうとうこの数年記憶にない田植えの中止という事態になりました。
今年もどうにか平年並みの5月いっぱいで田植えを終了することはできましたが、その間、前述のようになかなか平坦なことではありませんでした。
28日の早朝には、田の水の入り具合を点検して歩きながら、この強風じゃ苗が揉まれて傷んでしまうのでかえって植えないほうがいいか・・・・・という判断をしたのですが急遽アルバイトで来てもらっているT氏ほかの3人に田植えの中止を伝えました。
現場からの緊急中止指令?に携帯の便利さを実感しつつ、もし天気が良くなったらどうしようかということが頭をよぎりますが、苗の供給部隊を休ませた以上もうどうしようもありません。
その日一日はカッパを着て、雨風をしのぎながら31日に来るアイガモのヒナの飼育場を完成させることに集中することにしました。
今年も昨年同様180羽のスタートで、いよいよまたカモ君達に気を使う日々が始まります。
さらにヒナのやって来る31日午前には札幌の小学校5年生100名ほどの田植え体験学習の受け入れも組まれていたため、30日までに田植えを終わらすには何としてもやりたかったのですが....実際にこの日の中止で、田植え終了は31日の午後にズレ込んでしまったわけですからやっぱり結果的にこの中止は痛かった。
どんな仕事にもリズムというものはあると思うのですが、とりわけ私たち稲作農家の田植えは何と言っても一大イベントであるだけに、気持ちは田植えに一点集中し田植機の乗り手、つまり私とその私に苗箱を手渡しする係、育苗ハウスの苗管理と田植機の植え残しの補植係の妻、さらに苗積み込み係、運搬係・・・・これらのリズムがうまく合わさってスムーズな作業が進行していくわけです。
しかし、それが途切れるとどこかしか外の仕事をするにしても、非常に"気"がのらなくて調子がでるまでやや時間がかかるのです。
これは元来、"気"の転換にぶきっちょな私ですから余計にそう感じるのかもしれませんが・・・・とこれを書いている今、ラジオの時報が6月1日深夜0時の時報を打ちました。
あ~ぁ、このコメッセージの原稿書きも"田植モード"から"物書モード"への頭の転換がうまくいかずさっぱり進みません。
あぁ、そうだそうだ、ヒナの様子を見に行かなくては・・・・・と懐中電灯を持って"カモハウス"のチェックに・・・・てなあんばいですからなおさら進みません。
そうだ!田植えも終わったことだし今朝(現在0時半)は多少遅くまで寝ていたってバチもあたらないだろうから、ちと一杯やろか・・・・とコップ酒にも手を出してしまいましたからさらにまた進みません。
でも率直にうまい"酒"ではあります・・・・と、ここでラジオの声。
ふ~ん・・・・ラジオでは飛騨市の棚田の話題を話しています・・・・日本の原風景、物あふれて一見豊に見える現在の日本にあってその対極にあって切り捨てられ、忘れ去られてきた諸々の象徴としての棚田、その復権に向けての取り組みが語られます。
でもその棚田どころか、極端な低米価で平野部の米どころの生き残りさえ危ないのですから、こうした運動の更なる広がりには期待もしますが、自分もできることはやっていかなくてはと思いつつ・・・・あぁそうだ、昨日の小学生の田植え体験受け入れだって小さなことかも知れんが俺だってやってんだよねぇ~。
そういえば子供達に聞いたら田植えしたことある子は一人もいなかったな・・・・・どれだけの子が泥んこの着替えを持って帰って親に叱られた?ことか、ははは。
投稿者:taka-farm