コメッセージ 123号
アイガモ田で草取りをしていた妻の友季子が手まねきで軽トラックで通りすぎようとしていた私を呼び止めます。
え~っ、何だ?と降りると田の中から畦を指さして「カモが死んでたよ」と言います。
畦(あぜ)の上には羽が無惨にむしりとられ死んだカモが一羽.....草取り中の家内が田に浮いているのを見つけてそこに置いたものです。
6月23日に185羽を田に放してこれまで一羽も外敵にやられずに来て、今年は生存率バッチリで最高だぞ!と思っていた矢先だったので、アッチャー....ガックリ。
さて、襲ったのは何だ?と家内と考えるにどうも"とんび"であろうという結論に達したのです。
現場は水の上にむしりとられた新しい羽が散乱しており被害もとりあえず一羽だけ?ということ、あと前日から上空をとんびが飛んでいて、カモ達が警戒して畦の上に固まりなかなか田に入ろうとしなかったこと、それから次のことが一番の原因かと思われるのですが、7月も下旬になり稲も大きくなってカモの姿も隠れるようになったことから、前々日23日に田の上に張り巡らした防鳥用のテングスを撤去してしまったことがあります。
結局この早すぎたテングスの撤去・回収がとんびの侵入を許してしまったようです。
それ以降は襲われた形跡もないことからホッとしているのですが過去10年間、今までになかったことだっただけにまた新しい経験をさせてもらいました。
それと今年はカモ君達の草取能力が存分に発揮された年として大いに記憶に残る年となりそうです。
ヒエだけは人手で取らなくてはなりませんが、ほかの雑草は本当にきれいにしてくれました。
カモ君達にとってはエサとなる雑草が少なくなって逆につらかったかなとも思いますが、その分人間は楽をさせてもらいました。
おかげで家内との折り合いもまずまず!?.....で良かった良かった。
あとカモ君達はこのあと出穂を見計らって 陸に上げて11月半ばまで肥育し、カモ肉として人の胃袋に収まることとなりますが、欲しい方には一羽(精肉真空パックで800g程度、別につぼぬきもあります)当たり2,500円で販売いたしますのでお申し出ください。
さてここに来てもっとも気になる作柄なんですが、8月1日現在でやっと出穂がポツポツと始まりやっぱり5~6日は遅れているようです。
お盆までに出穂が終わるようであれば平年作は確保できそうですがあと2週間で穂が出揃うかどうか...それはまさにこれからの天気...そう、あと10日ぐらいの天気でこの一年の収穫(およその量と品質)が決まってしまう本当に正念場の日々ととなります。
6月から7月中旬まで不順な天候で一時はこれは"やばい"ことになったと青い顔をしていたことを思えば良くここまで持ち直してこれたものとは思いますがもう一山越さなければなりません。 ただそうは言っても先月本州、九州の各県で長雨、集中豪雨で人命、家屋、公共インフラ、農作物などにたいへんな被害が出てその当事者の方々の落胆、失望を思んばかる時、まだまだ一山はあるとはいってもこちらは望みをつなげられる状況にあるだけ本当にありがたいです。
古代ギリシャの神話で....パンドラという人間の女性がいて神から絶対開けてはならないと言われて金の箱をもらったが好奇心に逆らえず開けてしまいました。
箱からは病気、貧困、復讐、嫉妬、怨恨など全ての災厄が出てきて慌てて閉めたが唯一"希望"だけが残ったという"パンドラの箱"という話です。
人はわずかな"希望"でもそれがあれば厳しい局面を乗り越え生きられる....とこの話で教えられるのですが被災された方々の希望ははたして如何に....?
投稿者:taka-farm