コメッセージ 126号
我が北海道日本ハムファイターズが日本シリーズを制して優勝の栄冠を勝ち取りました。
ここ数年"駒苫"の健闘もあって高校野球では日本一とか決勝進出にも格別の感慨は少し薄れてきていたところだったのだけれども、プロスポーツの分野ではこれまでほとんどこれっていうものがなかっただけに、ましてやプロの中でも最もメジャーな野球での日本一はまた特別な思いを持ちました。
私はもともと野球はアンチ巨人の方で高校生ぐらいの時から一番弱かった"国鉄"の後の"産経"そして現在の"ヤクルト"とず~っと応援してきました。
ですからヤクルトが優勝したときなんかえらくハッピーな気分になったものです。
しかしパ・リーグにはほとんどというか、まったく興味はなく....それもそうですよね....テレビ放映はないわけだし、レギュラーシーズンの試合だって北海道でやることなんか皆無に近いわけだから興味の湧きようもない。
ですから日ハムが北海道に来るといったときも、そんな万年Bクラスの弱小チームが来たってじきに消えてしまうのではないかと思ったというのが正直なところで、プロのチームが来てくれるのは確かに嬉しいが、なんでそれが日ハムなの?という感覚でした。
でも"北海道"の名を冠しひたすら"新庄"を広告塔に地域密着路線をとってファンの取り込みを図ったのは大正解だったといえます。
わたしもいつのまにかヤクルトよりも日ハムの勝敗の方が気になるようになってしまいました。
そして移転3年目にして今回の優勝ですからちょっとできすぎかもしれません。
新庄の引退やヒルマン監督、小笠原の去就など今後の不確定要素があるだけに来年以降どれだけ新たな魅力で飽きやすい道民気質を引きつけていくのか...見物(みもの)です。
事業を起こしたり転換させ、そして伸ばす要素はなんだろうか。
北海道移転を決断したのは何?....とてつもなくでかい東京でこれまた正に名のとおり圧倒的にでかい巨人の陰にこれまでどおり甘んじていくか、はたまたまだできたばかりで未だ入り手のない空のドームにどう転ぶかわからない状況でフランチャイズとして自ら入る道を選ぶかの決断...で、結局後者を選んだわけですよね。
地方球団に徹することでチームとファンとの距離を限りなく縮めることが可能になり、そしてこのことがより深く密度の濃いファンとの心の交流がはかれることにつながる....結果的にチームの支えとなる確たるファンの獲得がなされる。 無論、当然のことながらファン獲得のためには人、時間、物、お金も相当に費やさなければなりませんが。
ところで今、地産地消の運動がそこかしこで盛んに行われていますね。
しかし地元の物だから売れるだろう、買ってくれるだろうだけでは....ダメですよね。
地産地消がうまくいくかいかないかはやはり日ハムのようにいかに熱烈なファン、支持者を作り上げていくかにかかっていると思います。
産物にはその地域に住む誰もが知っているような人、出来事、歴史、風物などのイメージを織り込んで親近感を持ってもらうことが大切でしょうし、作り手側にすればその産物作りに心底、誇りを持って臨んでいるかどうかがキーポイントになるのではないでしょうか。
.....ただ現実は厳しくて農畜産物の場合、生産現場は"誇"では食えないという状況にありますが....
日本全国で相当数の高校生が受験に必要とされない科目(地理、歴史、倫理社会、芸術科目など)の単位不足で卒業できないとかで文科省をも巻き込んで大問題になっています。
地域の産物に付加価値をつけたり、その地域みんなで共有できる価値を見いだすヒントの多くはそうした受験に関係のない勉強で培われそうな気もしますが....。
投稿者:taka-farm