コメッセージ 138号 2007年 11月号
10月に入って3日稲刈りが終わり、5日に直売所建設工事が済んで業者からの引き渡しがあって11日に冒頭のように竣工式を執り行うことができました。
9日付けで正式な検定が済み許可が降りた(私が事前に聞いていたのは12日に降りるということでしたが)のですが、これまでこのコメッセージでも案内してきたとおりここまでの道のりは本当に"お役所"相手に我慢、忍耐の連続でした。
それらへの対応の疲れと稲刈りなど収穫の疲れが重なりちょっと一休みといきたいところではあったのですが、なにせまもなく初冬を迎え販売できる野菜類などが全く無くなってしまうといったこの時期の竣工で、休む間もなくとにかく13日にオープンということにして10月前半はまことに無茶苦茶あわただしい日々となってしまいました。
いかにも"店"らしくするのに陳列棚、机、レジカウンターの設置、出品者や品目、金額などの登録、そしてレジ操作の訓練、商品の仕入れ・・・・十分な宣伝、広告もできないままのスタートです。
まさに直売所の名前(店名)「ふらり」のごとくふら~り、ふらりといった始まりです。
"ふらり"という店名は漢字では「風楽里」と書くことにしました。
漢字で書くとなんとなくイメージがつかめると思いますが、当社パンフレットの見出し にもあるように"風"が田園交響楽のモチーフとして重要な意味を持っていて、それに連なる "ふらり"の「風」です。
"楽"もまた田園交響楽の「楽」に連なり楽しいお店とすることを示しています。
"里"はもちろん古里の「里」で来られる方々にお店から見渡せる農的空間とゆったりした時をもって心の癒しの場となるような、そんな趣を持ったお店にしたいという思いがこもっています。
あとは文字通り"ふら~っ"と立ち寄っていただければという願いもあります。
店内は木のぬくもりが感じられるような作りになっていて静かに昔懐かしいメロディーが流れています。
足下に広がる田畑、少し遠くの街並み、遙か遠くの山並みなどの景観を楽しみ、陽の光、風の流れを肌で感じ、草花や木々の芳香、緑の香しさを愛で、そして素性のはっきりした美味しく安心して召し上がっていただける農産物を味わう・・・・・欲張りかもしれませんが五感で楽しめるお店、それが"ふらり"の店作りの原点ともいえます。
ところで神主さんの祝詞にはもうひとつ大きな内容がありました。
それは曾々祖父高嶋伊平が本州、福井県より開拓団を率いて長沼町に入植してから今年で満111年目の節目の年を迎えたということです。
何が節目かというと米寿は88、白寿は99というように111年は皇寿だそうで皇の字をバラすと白は99、一は1、十は10、最後に一は1でトータル111になるそうな・・・・ たまたまPB「田園交響楽」をひっさげて本格的にお米直売を始めたのは100年目の節目の年、そしてまた今回、直売店"ふらり"のオープンが上記のごとくやはり節目の年になりました。
111年という長い年月の重さを鑑みると、今ある自分はこうした先祖代々の積み重ねの上にあるんだなぁとつくづく思うところです。
店を構えるということは今までの"農家"の商売からの脱皮を意味します。
"ふらり"の開店が単なる自己満足で終わってしまい当ファームの経営の質的な向上につながらなければお荷物にこそなれ、何の益ももたらさないでしょう・・・・それこそご先祖さまに笑われてしまいますね。
これまで培ってきた様々なネットワークを生かして素敵な店作りを心がけて行きますので、皆様のご来店とさらなるご指導、ご鞭撻を宜しくお願いいたします。
投稿者:taka-farm