コメッセージ 142号 2008年 03月号
よーし、エンジンスタート。
1月にはほとんど除雪の機会もなく、2月に入ってまもなく久しぶりに降った雪を片づけようと早朝からトラクターを動かしました。 車庫からいつものようにバックで出して3.4回前進、後進を繰り返し車庫前の雪を取り除きます。
で、さて違うところの除雪をと思いバックしようと後ろを向いてクラッチを踏んだとたんギクッ・・・・と腰のあたりに何とも言いようのないにぶい痛み、違和感を覚える。
うううっ・・・・ありゃ、やっちゃった・・・・ギックリ腰でないの!!
とにかく除雪だけは終わらせなきゃならんと思い背筋をピンと伸ばして腰をかばいながら運転を続けたのだが、終了後トラクターから降りるときの情けない格好といったらありません。
まだ歩けるだけマシかと気を取り直して家に帰ったもののこれはどうしたものか・・・・というのもへたに寝込んでしまうと余計に動けなくなってしまいそうで、お米の注文は来てるし、会合はあるし・・・・。
若いとき腰を痛めてたいへんな辛い思いをしたことが頭をよぎります。
20歳ごろから23歳頃までの人生でも一番の若々しく青春を謳歌できる年月に度々腰痛を患い、自分の将来に自信が持てなくて悲観的になっていたのです。
特に後を継いで農家の仕事をやっていたときの辛さといったらありません。
60kgの米を担いだり、腰を曲げての草取り・・・・ガマンをしながらやってはいたものの、とうとう最後には悪化して片足が上がらないほどになり、横になっていても寝返りすら打てないまでなってしまいました。
ほとんど一夏仕事もろくにできないままいろいろな治療を試みましたがなかなか良くなりません。
そんななか、最後に紹介されて行ったカイロプラクテックのO先生との出会いが私の人生の一大転機となりました。
骨のズレを矯正しつつ、背筋、腹筋の鍛錬を繰り返し初めは1回すらできなかったものが数ヶ月で100回以上もできるようになってきたのです。
自分でも信じられないほどの回復ぶりで、半年前はお先真っ暗の悲観地獄だったのがこの一年後(24歳の頃)にはアメリカでのやや5ヶ月に及ぶ農業実習にチャレンジできるほどの「心」の復活を勝ち得るまでになりました。
ただその後意気揚々と実習には臨んだものの彼の地で腰痛が再発してしまい、またまた大変なことになってしまうのですが。
ところでその腰痛の再発でたいへんな目にあった当の農場のボス、日系一世のN夫妻と昨年の11月札幌で25年ぶりぐらいの再会を果たしました。(帰国してから5年目ぐらいの時、一度札幌で会っている)
農業実習生の受け入れ組織(IFAA)の55周年の記念事業が札幌で行われ、場所の近さもあって参加したのですが、よもやお世話になったN夫妻(お二人ともとうに80歳を過ぎていて近年音信不通だった)が来ていようとは夢にも思いませんでした。
アメリカからは10数軒の受け入れ農場(ホストファーマー)の方々が、そして日本は全国より多数の実習生が参集していましたが、ホストファーマーの入場の際、前列から2列目に座っていた私の前をボス夫妻がゆっくりと歩いていきます。
思わずNさん!と声をかけるとボスも「おおっ、高嶋君か」と応じて、あとはその場で抱き合ってしまいました。
セレモニー終了後、その夜はしばしの間ホテルの部屋でボスと話をしたのですが、話の内容は昔のことより今のこと、そしてこれからのことばかりです!!
前述のO先生との出会いは私の人生を180度変え未来志向にさせてくれました。
そして今また齢80を越してもなお矍鑠(かくしゃく)としたボスからはまだまだやれるよという若々しい発想とエネルギーを持つことの素晴らしさを教えられました.... 冒頭述べたギックリ腰もどうやら治って・・・・人生いたるところに可能性あり!! です。
投稿者:taka-farm