コメッセージ 171号 2010年 08月号
何々、今年の7月は札幌では7月の月間日照時間が過去最低を記録したって!
先月、7月の天気は気温こそ高めなものの、昨年7月の低温、長雨を思い起こさせるよ うな曇り空、そして雨の日々が続いて作物にとって一番大切な日照の不足は決定的にな ってしまいました。
稲は特にこの時期、出穂が盛りとなってちょうど花が咲き受粉が行われるため最も日照 が必要とされるのですがこの曇天、長雨がどんな悪影響を及ぼすのか?
その上、こうした気候が大好きで昨年大被害を出した稲のいもち病が再び発生したらど うしよう....こんな心配が病み上がりの頭をよぎってしまい、あんまり悩みすぎた り気にしたりするのは良くないのだろうがなぁ....とわかってはいるつもりだったのに、ダメなもんですね、7月は空を見上げてはため息をつく日々ばっかりでした。
そんな雨の日の午後、思い立って初めて我が町、北広島の大曲地区に今年春オープン した三井アウトレットモールに家内と息子の3人で行ってきました。
オープン当時は来店する客でごった返し、道路もおびただしい車で大渋滞だったようです。
なるほど広い店舗内には何十店というブランドの専門店が出店しており、平日というのにどちらかというと若い世代の男女が大勢来店しておりましたが、どうも私みたい な"おじさん"や年配の方々には何となく居づらい感じがしなくもないですね。
大曲地区にはここのほかに巨大なショッピングセンターとも言えるところが近接して3 ヶ所あって、どこも駐車場はそこそこ車が止まっておりいったいどれだけ莫大な集客力 があることやら.....。
それとこのモールの"売り"のひとつに農畜産物やその加工品の大きな販売スペースがあって、生産農家の顔写真なども張り出され農家直送のコーナーも設けられています。
多くの出店者のなかに私のおつきあいしている方も4,5人おりましたが、「おーっなかなか皆さん頑張っているなぁ」と感心するやら、幾分うらやましくも思うところですが、実際行って見た販売ブースと自分なりに思い描いていた様子とにちょっと違いがあって、このなかで生産者同士が競争して、差別化してそれぞれのオリジナリティを発揮させ売り上げを伸ばすのにはどうしたらよいのだろう........とつくづく考えさせられます。
どこまでいってもやっぱり"競争"なんですね。
大曲地区は北広島の地では西に位置していますが私の住まいと農場はそことは正反対の東の端っこにあります。
そんなことから私にしてはどうも同じ町の中という感じが乏しいのですが、近年では西部地方の開発、発展が著しく私の住む東部や30数年前、鳴り物入りで造成された北広島団地の相対的な地盤沈下ともいえる状態がいささか気になります。
東の市町村境界ともなっている千歳川沿線は北広島でもここだけしかないという平坦、低地帯となっており、どちらかというと農業(水田と転作による畑作、牧草飼料畑など)が目に付くところですし、団地は30年も経過するといつのまにか超高齢化の町と化してしまっています。
西の方に人の目が向き、動き、お金が流れる........反対にいつのまにか市役所、JR駅を擁し町の中心として栄えていた東部地区は農業の衰退、地元商工業者の相次ぐ撤退、閉店でいまひとつ"地域力"が落ちて来つつあります。
相次ぐ巨大資本や企業の進出、開発で活路を見いだしていくのもひとつの方法でしょうが、地域に根付いて北広島の地を形作ってきた人々のここでの踏ん張りが、これからのこの町の"色づけ"に大きく影響しそうですね。
田んぼのない西の住民たちが記録的な日照不足に東の低地帯の稲作地帯の農家さんたちは大丈夫だろうか....なんて心配してくれる、そんな町がいいですね。
投稿者:taka-farm