コメッセージ 183号 2011年 08月号
原発事故の災いは収束のメドすら立たないまま、次々と新たな問題を引き起こしています。
建屋が爆発したときに飛び散った放射性セシウムが風に乗って数十kmから100km以上も離れた所に降り注いだとのことで、汚染された稲ワラを食べた牛の肉が日本全国に出回り大問題になっています。
直接人間が飲食して危険とかいうのは水、露地物の野菜や魚介類、いろいろ言われて注意してきたところでしたが、まさか稲ワラを与えられた牛までもが危ない代物だったとは。
私は稲作農家で稲に関することはたいがい知っていたつもりでしたが、今回初めて肉牛にずいぶんと稲ワラが与えられていて肉質を高めるのに役立っていること、しかもそのワラが春先に専門の業者によって集められ日本全国に出荷されていること....等がわかった次第で、実に恥ずかしいかぎりです。
昔は稲ワラはそれこそ余すことなく全て有効に利用されていました。
"縄"をなう、穀物を入れる"かます"を編む、家畜の"敷きワラ"や"エサ"(我が家でも昔は馬のほかヤギ、羊、にわとりなどを飼っていた)、田畑に撒く"堆肥"などです。
しかしこれらはあくまでも自家用主体であって、今日のように日本全国に向けて出荷してるなんてことは前述のごとく想像もしていませんでした。
今では北海道の稲ワラは大方が田にそのまま鋤込まれており(私のところも同様に鋤込んでいます)、有効利用やエコロジーの観点からいってももったいない話ですね。
ところでワールドカップ女子サッカーの優勝は見事でしたね~。
ドイツでの試合で、しかも極早朝のライブ放送ということで全くの農家泣かせ....その時間帯は早い農家ではもう外で仕事、うちらみたいにどちらかというと朝が遅い農家は前日の疲れでまだぐっすりといったあんばいで、朝一のニュースで知ったのですが、それからしばしテレビにかじりついてしまいました。
一番印象に残ったのは表彰式での選手達のはしゃぎぶりでしょうか。
澤キャプテンを中心にトロフィーを高々と挙げて笑顔笑顔、また笑顔でこれまでの日本人の喜びの爆発の仕方とちょっと違う感じもしたものです。
画面を通り越してこちらにも喜びが直に届くようでもありましたし、本当にやればできるという元氣をもらった気持ちにもなりました。
それにしてもどうにもわからんのは日本という国がこの先どの方向を向いていくのか......ということです。
国会や内閣は現在の国難に際して次々出てくる難題に右往左往の状態で、どちらかと言えば政治には一歩距離を置いている私(しかし選挙の棄権は1回もない)ですが、こんな私でもなんか情けなくなるような体たらくぶりです。
原発のことだけでもしっかりとした姿勢を示してほしいのです。
経済的にもあわないことが白日のもとにさらされ、核のゴミ(使用済み核燃料)の処理が確実に後代のとてつもない重い負担になることがわかった今、やっぱりこれ以上の原発建設は止めるべきだと思います。
避難地では外で遊ぶことの自由さを失った子供達の姿がテレビなどで映し出されると、こんな惨禍を引き起こした私たち大人の重大な責任を痛感します。
国債の乱発というツケ、そして今またいつ終わるとわからない原発被害のツケ、我が世の春を謳歌してきた私たち大人のエゴで子供たち、さらにその子供、そしてそのまた子供と重荷を残すのは......もう止めましょうよ。
最後に案内ですが、8月1日発行の北広島市の広報誌に私たち親子が"あぜみち散歩"の話題とともに載っていますのでご覧下さい。
9月中旬までの土、日13:00から直売所"ふらり"を出発し1時間程度の行程を予定しておりますが参加される方は多少汚れても良いような靴でお越しください。
投稿者:taka-farm