コメッセージ 203号 2013年 04月号
と、モミ倉にヴィバルディの「四季」より「春」が流れます。
嫁に行った長女が残していったミニコンポを精米施設に置き、新しく中古で買ったスピーカーに配線してモミ倉に設置したのです。
よくワインなんかを生産しているところで、ブドウ畑や貯蔵庫にモーツァルトの曲を流しているということが報じられていました。
人に心地よい音楽は植物にもいいんだとか.....ほんとかいなとは思いますが、まぁ信じる者は救われる、それで植物の生理にいい影響があってより美味しいワインができたら、こんないいことはないわけです。
というようなことでわたしも、まずはモミの貯蔵の現場に心の落ち着くような、リラックスのできるような曲をかけようと、遅ればせながら取り組んだという次第。
当初よりうちの米に「田園交響楽」という商標をつけて販売していたこともあり、お客さんの中にはお米にベートーベンの交響曲第6番「田園」を聞かせているのですかといった質問をする方もいて、これはうちのお米にちょっとした差別化で使えるかもしれないとは思っていたのです。
実際、ちょっとした仕事をしていてもバックに音楽が聞こえるとなかなかいいものです。
それまではもっぱらラジオ放送ばかりでしたが、日々の情報を受け取るだけではなく敢えて自分みずから「音」を楽しむ心.....の「時」を持つことはやっぱりいいもんです。
ところでTPP、とうとう安倍首相、参加表明しちゃいましたね。
世論調査でも安倍内閣の支持率が7割近くになったとかで、その余勢をかってかTPP賛成も6割以上にもなったとか、....で、何か怖いもの知らずで俺の後についてこいと言わんばかりのようです。
大手のマスコミは相変わらず「工商×農」の図式でしか報道しないですし、街頭インタビューに答えたおばさんの「外国から安くモノが入るのなら結構なことじゃないですか」といった至極わかりやすい見方で流しちゃうもんだから、民心も簡単に動いちゃいますよね。
会社の9割、雇用の8割を担う地方の中小事業者、地域の礎となっている農家にはどんなムチ?が待っているのでしょうか。
どうも凡人(当然私も)と言われる人々は、その性(さが)で他人と比べてしまい、少しでも早く情報を得て人より先に世の中の動きに合わそうとします。
結果、いつのまにか受け身になってしまっている自分がいるわけです。
寒さと大雪に悩まされた冬が去り、これから種まきの季節です。 ヴィバルディの春でも聞き、暖かな日差し、土の香、風のそよぎなど五感で自ら楽しみつつ秋の実りを夢見て農作業にいそしみましょう。
投稿者:taka-farm