コメッセージ 217号 2014年 06月号
と5月27日、午後4時北長沼の田植え現場から15km ほど離れた北広島の苗取り現場にいるN君に確認します。
ほどなくして「車1台と220箱だね」との返事。
ということは残り面積4反(4000平方メートル)ほどしかないから100箱ぐらいは苗が余りそうだ....。
「Nちゃん最後に1台積んで、こっちまで持ってきてや」と言ってケイタイを切ります。
田植えも終わり頃になると、苗の残りぐあいがとても気になるのですが全部で9800箱ぐらい種まきをして100箱ぐらいの残りですから、今年はまずまずうまくいった方でしょう。
それにしても今年、5月27日に田植えが終了というのは当農場始まって以来のスピード記録かもしれないな~.....ちなみに昨年はその27日から始めて6月3日で終わってますが育苗期の低温が影響して使えない苗など300箱以上も余してしまったし、一昨年は計算上絶対余るはず.....のものが田植え終了前日になって足りないことがわかり、他の農家からいくらかわけてもらうハメになってしまうというようなこともありました。
なかなか事は計算どおりにならないものですが、米農家にとって苗が足りないというのは田植えが終わらないということですし、苗がなかったらその分だけ植えないでおこうというこにはならないのですよね。
耕した田畑は余すところ無く種をまき、苗を植えて可能な限りの収穫を得ようとする、これは古よりの農業者(百姓)の魂、性(さが)みたいなものでしょう。
ところで、平成29年度を最後に転作制度を廃止するということですが、さて、どうなることやら....。
私が就農したときにはすでに転作が始まっており、これまで極力稲作農家にお米を作らせない農政という矛盾と付き合いながら米を作ってきましたが、国にとっての優良?農家さんは多くがこの矛盾の中で見事に、立派にコメから離れていってしまいました。
その点では、とかく日本農業(農政)への批判がすさまじいなかで結果オーライかもしれません。
そんなに頑張って作らんでも、ほかのものを作ればお金をやるからと、補助金で誘導され、農家の方もすっかりそれに飼い慣らされてしまった感があります。
安倍首相はダメな日本農業を再生させるための施策を打ち出そうとしています。
農協組織や各自治体にある農業委員会の見直し、株式会社の農業参入.....しかし一番ダメなのはこれまで作らせず、食糧の自給に本気で取り組まない、農業をお荷物扱いしてきて、農協などを通じて農家をコントロールしてきた政治(政治家)や行政ではないのか?
元来、農家は目一杯の収穫を上げようと頑張るものです。
むろんそれが収入に結びつくことを期待してのことですが、たとえそうならなくとも、多くの収穫が得られることがやっぱり無上の喜びにつながっていきます。
投稿者:taka-farm