コメッセージ322号 2023年3月号
あ~ぁ....とうとう麺類にも負けちゃったか....と嘆かずにはいられない記事が目に入ります。
日本農業新聞に「苦しい家計、節約色濃く」という見出しで、食品から燃料、日用雑貨までありとあらゆるものが数ヶ月単位で値上がりして食品でいえば高単価の牛肉や果実、一部の野菜への支出が減っているとあり、22年家計調査食品支出額が表とグラフで記されています。。
今まで物価の年間適正上昇率を2%にしようといって、この10年近くアベノミクスで異次元の金融緩和をやっても成し遂げられなかったことが、ロシアのウクライナ侵攻をきっかけとしてあっという間に達成(達成と言う言葉が適当?)するという結果になってしまいました。
昨年同時期に比べてなんと値上げラッシュの食品を除いても実に4.3%も上昇したというのです。
で、私にとってショッキングだったのがコメが年間主食支出額(2人以上世帯)で昨年とうとう、うどん、そば、パスタなどの麺類に抜かれたという記事が目に飛び込んできたときでした。
2012年にはパンに抜かれ、そしてとうとう2022年には麺類にも僅差で抜かれた....日本人のコメ離れは想像以上に進んでいることを思い知らされたのです。
主食3品目の中でコメ支出だけが一貫して下がり続けているのですが22年は2000年の半分の年間約2万円、それに対してパンは1.3倍の約3.3万円、麺類はほぼ横ばいで推移しています。
コメの消費者価格ほとんど変わらなかったけれど消費量が減っている間にパン、麺類は消費量自体は多少減っているにもかかわらず価格の上昇によって消費額が伸びていたことから、こうした消費金額の浮き沈みにはっきりと現れたようです。
さて、ロシアとウクライナの戦争はとうとう一年を過ぎましたが、それにしてもエネルギー資源、食糧をもっていて自給、そして輸出余力のある国はなんだかんだ言っても強いですね。
ロシアは西側諸国からの金融、経済的な厳しい制裁圧力があっても中国、インドあるいはその他の第3国とのつながりでまだまだ頑張れそうですし、ほぼほぼ自国が戦場になっていないこともあって自国民は普段とさほど変わらない生活ができているといいます。
でも一般市民はそうでも招集されて戦地に赴いた兵士は20万人から死傷しているのではといった報道もなされ、実際のところはロシア軍の発表もないことから闇の中ですがそれがホントだとするとそこまでする軍とそれを許容する(許容せざるを得ない?許容させられる?)国民の性(さが)はどこにあるのか....戦後世代の私の日本人的な思考ではとても理解できません。
先の大戦で自国が戦場になり2000万人以上が犠牲になったことと比べると、情報統制下でもこれしきたいしたことじゃないとプーチンの言う特別軍事作戦の範疇と見なしているのだろうか。
卵は長い間、物価の優等生と言われてきたのとは打って変わってエサ代の高騰、鳥インフルエンザによる1千万羽超の殺処分も相まって以前の1.5倍以上にもハネ上がり、オムレツなど卵を多く使用するメニューをやめたり、品不足でスーパーの店頭から消える時さえあります。
今、家畜のエサも含めた食糧とエネルギーを外国に頼ることの怖さ、危うさを戦争当事国ではないにもかかわらず否応なしにそれらの高騰から身をもって感じることとなりました。 コメは1993年以外は35年以上ほぼ横ばいの価格ですので、ちょっと見直しませんか。
投稿者:高嶋浩一