コメッセージ343号 2024年12月号
Eちゃん......この精米機はもう廃棄だねぇ~?......石取り機、計量器、ヌカ取り機等々30年以上も経った古いながらも一式揃った精米プラントを11月末に撤去しました。
JA資材店の一角にこのプラントを作り稼働したのは平成4年(1992年)で、実にもう32年にもなるんですが、私もまだ38才!で実に若かった!(㊟コメッセージ338号参照)
当時から今に至るにもコメには作付制限がなされており、低価格にあえぎながら多くの離農者を出しつつ、コストを極力落とした米作りが続いて来たというのが実際のところでしょう。
ですから何とか少しは先の展望を求めて地元消費者協会との間で特別栽培米「ひろっこ大志」に取り組んだのが私、35才の時で1年後仲間に加わったのが同世代のEちゃんでした。
30年以上も一緒に取り組んできた外の仲間達も高齢のため一人やめ、二人やめしてとうとう最後はEちゃんと私の二人だけになってしまったのです。
昨年頃からこの「ひろっこ大志」の生産をどうしたものか....と、たった二人だけ残った生産者と事務局のJA職員を交えて幾度か会合を持ったのですが、私達自体の高齢化と冒頭に記したプラントの老朽化はいかんともし難いもので、納入先である消費者協会の理解も得て本年9月の供給を最後にやめることになり撤去を完了したのでした。
ところで話は変わりますが先の衆議院選挙、予想通りというか政治とカネの問題が大きく影響して自民党の大敗で終わり連立を組む公明党と合わせても過半数に届かない状態になりました。
史上最多9人もの総裁候補を乱立させてこれでもか、これでもかというぐらい話題を国民の目線に向けさせ、トップの顔をK氏からI氏に替えて刷新感を出そうとしたようですが今度ばかりはその企てはうまくいかなかったようです。
それにしてもこのところの選挙はSNSの情報拡散の力がすごいようで、その威力をまざまざと見せつけていますが直近では出直し兵庫知事選があり、103万円の壁の衆院選国民民主があり、東京都知事選の次点候補の善戦等があり、今後の選挙の様相が激変しそうな気配です。
従来の新聞、テレビなどのマスコミは現代の若者層はあまり見ないと以前から言われていたことですが、その反面SNSを駆使した候補が特定の好印象を与える情報を動画など使って拡散することで当選できたり意外と善戦できたりするのです。
私もネットの情報を少しは見ていますが、やはり大部分は既成のマスコミから得ているので自分だけの規範で作り上げた想像を超える結果が出るとなかなか付いていけないものです。
これが70才の老化の進んだ人と若年層の世代間のギャップというものでしょうか.......。
「少年老いやすく学なりがたし」とは中国古来の名言ですが30数年なんて過ぎてしまえばあっという間で、時はバカみたいに早く過ぎ去ってしまいます。
老境に立ち至った今、改めて「学」を求めようとは思わないまでも、少なくとも時の流れ(時流)には乗って流れに棹さすよう.....ではありたいと思う。
体も機械も耐用年数が切れて終わってしまった「ひろっこ大志」ですが、私にとって30代半ばという可能性に満ちた時から取り組めたことは本当に幸せであったと思います。
間もなく令和7年、2025年の幕開けです、皆様どうぞ良い年をお迎え下さい。
投稿者:高嶋浩一