コメッセージ350号 2025年7月号
先月、14日より当ファームの直売所「ふらり」の今シーズンの営業が始まりました。
昨年来からのコメ騒動を受けての営業開始だけにうちの看板商品であるコメをどのように販売したらいいものか、家族の中でもいろいろ意見がある中で結局は社長の考えた方法でやってみることになったのですが、ギリギリまで本当に難しい決断だったと思います。
2024(令和6年)年産米の販売ではそれまでさほど多くなかったネット販売、ふるさと納税販売、郵便局のカタログ販売などの数量が爆発的に増加して早々に受注窓口を閉鎖しなければならなくなりましたが、そうした新規の受注を止めさらに古くからの顧客の皆様方からの購入増量の希望にも十分に応えられないまま現在に至っています。
当ファームではモミ貯蔵を行っておりコメの残数量がキチッと確定しませんから7月1日現在から数えて稲刈りまであと最低2ヶ月半以上の分の在庫は残さなくてはなりません。
一般顧客のほか病院、ホテル、保育園、飲食店など過去5年、10年、20年、それ以上とほんとうに長期に渡ってお世話になってきて、そのおかげで今のタカシマファームがあります。
その方々に切らすことなくお届けしなおかつふらりの大看板のコメをいくらかでも置いて販売したい.......モミの残量とにらめっこしながらこのぐらいなら店頭販売しても大丈夫だろうという線を押さえて、それを広く薄くなるべく公平に大勢の方に行き渡るような販売方法を......ということで裏ページの「農場の日々」にあるようなやり方になったという次第です。
お客様には多かれ少なかれご迷惑、ご不満をおかけすることにはなりますがどうかご理解いただければ幸いです。(コメッセージ、農場の日々はFacebookまたはInstagramで配信しています)
ところでおコメ高騰を抑えるべく強力な対症療法として農水当局が取り組んでいる備蓄米の放出ですが、その効果は果たしてあったのかどうか、どのように評価したらいいのでしょう?
そもそも備蓄米放出の決断が遅きに失した感は否めませんし、しかも初めは入札制で結構高値での取引となってしまい米価引き下げの圧力としては弱いものになりました。
30万㌧ほどはこれで出されているようですが大手中心の流通で小分け、精米、袋詰めなどの細かな作業工程もあってなかなか末端の小売りまでスムーズに流れないようです。
途中からは大臣も替わり随意契約方式に代え安価で放出したこと、中小小売りへの売却もやったことで入札と同じぐらいの30万㌧ほどの量ではありましたが、市民が大行列を作ってお米を求める姿が連日マスコミのニュースに流れるなど高騰を一定程度押さえ込んだようにも見えます。
しかし古古古、古古古古米ですからね......保管料も結構なものだと思われますが結局それは国民の税金で支払っているはずなんだけど......はてさて本来の価格はいくらなんだか?
それを時の政府、大臣主導でまずは2,000円/5kg程度にしようと初めから決めてとりかかるってのは物価の決まり方としては何かおかしくない......とは思うんですけどね。
まぁ保管料はかさんでも古くなれば価値が下がると考えればバランスがとれるのかなぁ....。
うちみたいに30数年かけて創意工夫で他と差別化し自分で決め納得した価格で販売体制を築き上げて来たものにとっては、いずれにしてもあまり関係のない話ではあります.....。
投稿者:高嶋浩一