コメッセージ354号 2025年11月号
9月も末のことですが、あれっ、FAX来てるな......となにげに表示ボタンを押して見ると市役所からの案内で「クマ出没注意情報」とあります.......なんだクマか.......また遠く離れた山手の方に出たのかなとクマ出没情報が毎日のようにニュースで流れていたのでたいした気にも留めず読み進めていくと、ガーン......なになに国道274号線の共栄交差点付近で目撃情報がありました........とあるではありませんか!
思わず目が点になるとはこのことで、共栄の交差点とはまさにうちから500mも離れていないところで、しかも交通量は一日何万台も通るような道内でも屈指の幹線道路なのですから......
人が渡るのだって相当気をつけなきゃならない上に交通事故も結構頻発していますし、ついこの夏もシカの交通事故があったばかりで大きなシカが死んでいるのです。
そんなところにクマ?........確かに今年のクマによる被害は関東から東北、北海道にかけて異常とも言えるほど多発しているわけで、我が家も国道からすぐ脇は野や田園が広がる地帯ですから近年シカが目に見えて増えてきたのと時は若干遅れながらもクマも山のないこの里に下りてきたのかもしれません。
ただシカやキツネ、アライグマの類いは農作物の被害はあるものの人を襲ったりして危害を加えるということはまずめったにありませんが、クマは死亡事故も多発し心穏やかとはいきませんね。
ところでまたまた1年ちょっとで総理大臣が替わりました。
この数ヶ月、参議院選挙後、前任のI氏の辞任表明前後から自民党新総裁にT氏が決まって、さらに総理大臣選出の際の与野党入り乱れての連立の話題でもちきりでしたがその間、いっこうに動かない政治に冷めた国民をよそに永田町だけは酷暑の日本よろしくさらに輪を掛けて魑魅魍魎のうごめく暗く澱んだ暑さ.......の中にあったのかもしれません。
党内野党を自認していたI氏とA元首相を師と仰ぐT氏とでは向いている方向がかなり違うようにも思われましたが、今後保守色の極めて強い日本初の女性首相!!の彼女が日本維新の会と組んで衆参ともに少数与党という形の中でどのような舵取りをして行くのか、これまで誕生した歴代政権以上に注意深く見ていく必要があるように感じています。
で、そんな中、早速私ども農業分野でコメ政策の転換がなされそうな気配になって来ました。
猛暑による収量減と需給量の見積もりの齟齬(そご)に端を発した小売り米価の爆騰を受けて、つい数ヶ月前まではI前総理とK前農相肝いりで今後、増産の方向で行きますと言っていたのにもかかわらず主役の首相、農相が替わった途端に需要に見合った生産.....早い話が値崩れを防ぎ現状の価格を少しでも維持するため?.....来年の生産を今年より5%減らすとのこと。
いつもの猫の目農政の発動で現場の生産意欲にどれだけの冷や水を浴びせることか!
地方は今、人口減や経済停滞の中、度重なるクマ禍が起きるほどに静かな衰微が進んでいます。 T氏は「日本を強く豊かに再び世界の高みへ」とブチ上げましたが少なからずその屋台骨を支える地方、農林水産業、そして日本文化の礎、稲作、コメをどうするのでしょうか....そういえばT氏の名は日本の代表的原風景、田の水面に映える”早苗(さなえ)”でしたね。
投稿者:高嶋浩一


















