コメッセージ328号 2023年9月号
「じいちゃ~ん、大きい亀捕まえたよ」と出先から帰った私に小学5年の孫が大喜びで話します。
確かに捕まえた亀を持つとずしりと重く、甲羅の大きさは頭の方からしっぽの方まで20㎝以上はありそうです。
家の裏に排水路があって、ポンプでハウス内の野菜などに水をかけるためちょっとした水溜があるのですが、孫はそこで魚捕獲用の網ですくったようです。
私も小中学生の頃はしょっちゅう竹の一本竿を持って近くの川に魚釣り行ったものでした。
たまに大物のフナなんか釣れるとそれこそ「やったー!!」てなもんで興奮して胸が高鳴ったことを良~く覚えているのですが、都会育ちの孫も恐らく網を持ち上げた時の重さと中に亀が入っていた驚きで嬉々として同じような感情を持ったのではないかと思います。
昆虫採集や水槽で魚やカエルを飼育するのが大好きな孫ですが、さすがに東京ではちょっと大きな公園に行かないといないみたいで一日中家の裏で小魚や昆虫が捕れる環境は彼にとっては正にパラダイスでしょう....それこそ飽くことなく一日中網を持って駆け回っているのですから。
ここの排水路では7月から8月にかけての夜、ほのかに青白くヘイケボタルが光っているのが見られますが今年もその風情を楽しむことができました。
亀がいたりホタルが見られるなんてさぞや環境の良いところと思われるかもしれませんね。
確かにそうかもしれませんが別の角度からみればそうとも言えない部分があることも事実です。
例えば亀ですが今回捕まえたのは外来種のアカミミガメで昔(今もでしょうか?)祭りの露店で売られていた小さなミドリガメが成長したものらしいです。
小さくて可愛らしいので子供心に訴えるのでしょう、せがまれて買われた方も多いのでは.....
これまで5匹の亀を捕まえましたが1匹だけイシガメで、あとはアカミミガメでしたし,アマガエルはチラホラで9割方昔は見たこともなかったトノサマガエルに置き換わっています。
そして極めつけはアライグマでもともとアメリカ原産で日本にはいないはずですが、今ではキタキツネよりも数多く棲息しているような気がします。
そして先日、えっ!こりゃ何だ?と言いつつ裏口の石段の上で発見したのは超ビッグなナメクジで、恐らく本州方面に棲息していたのが何らかの人為的な働きで渡って来たのでしょうか?
全体的に黒っぽく、筋のように縦縞が入っており長さは7~8㎝もあろうかという代物です。
ゆっくりのっそり動きは遅いのですが、私達北海道人の思うナメクジは薄茶色でせいぜい体長は3㎝ほでしょうか、このナメクジはその大きさ故に思わずたじろいでしまいます。
ただでさえキャベツなどナメクジの食害で困っているのに、このでかさでやられたらいったいどうなってしまうのか.....。
一見豊かな自然に囲まれているようには見えますが生態系は少しずつ着実に変わっています。
10数年ぐらい前からは見たこともなかったエゾシカが現れ始め田植え後の苗やエダマメを食べたり、アライグマによる甚大な農作物の食害には相当な対応策を講じなければなりません。 孫にはこの亀はうちで飼えないから市の環境課に引き取ってもらうからねと話しました。
投稿者:高嶋浩一