コメッセージ337号 2024年6月号
今年も稲作農家にとっての一番のメインイベントである田植えが先月の28日無事終了しました。
昨年、一昨年と同じ日だったということで例年通りに終了し、まずはホッとしています。
それにしても今年は田植えを一週間後ぐらいに控えた中で、どうも肝心の主役の田植機があんばい良くないなんて話を息子から聞かされて、こちらとしてはえらく驚かされてしまいました。
まだ5年ほどしか使ってないし、毎年きちんと整備に出しており問題なく使えるもんだと思っていたのにどこが悪いんだと聞くと、どうもあちこちの駆動部分が摩耗して全体的にガタが来ていて今シーズンをトラブル無しで終えるのは難しいようなことを田植え三週間前になって農機具屋から言われたとのこと、いやはやなんとも農家泣かせの話ではあります。
冒頭に述べたようにお米生産農家にとって田植えというのはとても大きな意味合いを持ちますので、極力遅延を避けスケジュール通りに進めたい気持ちには尋常ならざるものがあります。
それが機械のトラブルで1日ぐらいならまだしも、部品の在庫が休日で手に入らないからとかの理由で数日もストップがかかったら大変なことになってしまいます。
昔は今の機械のように高度にデジタル化された複雑な機構もなく、よっぽど酷い故障でなければ近くの農機具屋に頼めば𡈽、日でさえもほぼほぼ数時間か半日程度で直ってなんとか仕事ができたものですが、現代は故障の原因によってはとてもそんなことは望むべくもありません。
今ではコストを最小限に抑えるために余分な在庫を持ちませんので、ヘタをすると本州の本社から航空便で送ってもらいますから3日ほど待ってください......なんてことになりかねません。
世は今、まさに働き方改革と称して働きやすい環境の整備に官民挙げて取り組もうという機運で盛り上がっているところですが、私達のような規模の小さい農家や商工の自営業者にとっては一体全体どこの話っていう感じを受けてしまいます。
うちのような耕種(田畑を耕す)農家であれば早春の準備から初冬にかけての収穫、後片付けまでレクレーション的な休暇を除いてほぼ無休に近い状態ですし、労働時間にしても食事、休憩はとったにしても朝から晩まで半日以上働くことなんかはごく普通にあります。
でも農業機械や資材を扱っている会社、そしてそれを運ぶ運輸業者などが人手不足の中、なんとか社員を安定的に確保しようとすれば給料の外にキチンとした就業規則を持って休暇、諸手当は当然のことであって、いつまでもあるかどうかもわからない農家サイドのトラブルにまで合わせた業務体制を組むことには無理があるということは私にも十分わかります。
さて......三週間後に始まる田植をどう乗りきる.......
新車を購入?......
まてまて、本年度はそんな予定していないので7,8百万もの資金はどうする?......
いやその前に大体新車があるわけないだろ......
で、たまたま3年落ちの中古機があるというのですぐに手を打ち相応の価格で購入することを現社長が決めた......
という一連のことを私が知ったのが前述のごとく田植え一週間ほど前のことで、知らぬが仏とは良く言ったものでな~んの心配もすることなく田植えを迎えられ、そして無事大過なく終えたことには感謝するものですが、ただ年々頼もしくなる現社長にはたいした助けにはならんけどもう少し情報公開をして欲しいですね。
投稿者:高嶋浩一