コメッセージ No.63(2001年8月号)
それにしても30℃台後半の気温は確か一昨年だったか一度経験しているけれど本当にひどかった。家内と二人でとうきび畑で草取りをしていたのだけれども地面から上がってくる「地熱」と背中をじりじり焼く「照熱」そして無風状態での「熱だまり」....20~30分もしたろうか.....二人とも具合が悪くなってきて、こりゃあかんぞ、死んでしまうわと早々に引き上げたのである。
いわゆる熱中症というやつだろうか、あのまま続けているときっとたいへんなことになるんだろうな。まぁそんなような気温が毎日続いているわけだから、いったい暑いところの農家の皆さん(農家だけでなくエアコンのない外の仕事をしている人達)はどのような仕事、あるいはどのように仕事をしているのか、はたまた仕事は休んで涼んでいるのか.....。分けてもらえるものなら少しだけでいいからその暑さをもらいたいものです。
でもどうも温暖化現象というのは、本当のようになってきたんじゃないだろうか。今年もなんだかんだ言って6月の貯金があったこともあり昨年、一昨年と同様割と早く稲の生育が進み、このままいくとこの10日頃にはほぼ出穂完了になって9月半ばから稲刈り、10月の声をきかないうちに稲刈り終了ということになりそうなあんばいである。
平成5年の大冷害は別としても過去には10月に入ってから、霜予防をしながらの稲刈りなんて結構あったと記憶しているんだけれども、ここ数年なんか一ヶ月は季節が前倒しになっているような感じすらします。とうきびにしても本来は8月後半から9月いっぱいぐらいが旬かなと思っていたけれど、やはりここ数年9月初めぐらい、甚だしいときは8月いっぱいで物がなくなってしまうことさえあって、これもやはり一ヶ月近く収穫が早まっている感じです。
近未来、冬の気候も若干暖かくなって北海道が四季を通じて日本で一番住みやすい所になるかもしれません.........そうなれば全国から人が集まり、過疎も一気に解決!..........なんて喜んでいる場合か.....世界が環境問題で京都議定書に合意し温暖化をくい止めるべく動こうとすれば最大で巨大なエネルギー消費国のアメリカがそれを反故にしようとする.....こんなんでいいわけないよね。みんなしてエネルギーの分捕り合戦をして自国のみの繁栄、それも恐らくせいぜい数十年続くかどうかのことでエゴをむき出しにする。
昔、アメリカインディアンは一本の木を切るか切らないか、7世代後の子孫のことを考えてから決定したという。アイヌの人々をはじめとする世界中の少数民族の生活の規範は自給自足を前提にし、自然から決して余分な富を奪おうとはしなかった。現代、世界的に高度に情報が錯綜し、人、物、金が動きエネルギーが湯水のごとく消費され一部の国の人々が、とりあえず「豊か」な暮らしをしているが、それらがいつまで続くか、続けられるかの不安とも隣り合わせになっている。また某国ではとりあえず2~3年の痛みの後、どこか虚(うつ)ろな「豊か」な暮らしに戻れるようになるからちょっとの間我慢してくれと、時の為政者が言っている。
インディアンに代表される「知恵」をベースにした生き方を望むのか、不安と隣り合わせの「豊か」な暮らしを求めるのか......一人一人がよくよく考えていかなければと思う.......っと、あれ、いつのまにか北海道の温暖化の話が世界にまで飛躍してしまった。とはいいつつも当ファームでは例年のように、じゃがいも、かぼちゃ、とうきび、えだまめなど販売いたしますのでご用命ください。栽培内容、価格、品種等も一部変わった物もございますのでお問い合わせください。
それと案内なのですが8月26日当別町で北海道中小企業家同友会農業経営部会主催の収穫交歓会が開かれます。4回目となりますが今回は会場を長沼から当別に移し2,000円で従来のじゃが芋掘りのほかに個別の農場を訪問して野菜や花、卵の収穫体験などができる内容となっております。身近に「農」に触れる機会ですので田舎の空気に当たり、土に親しみ、家族や友達との「楽しみ」の場にしていただけたらと思います。もちろん焼き肉や直売店もございますのでご利用ください。詳しくは私の方か北海道中小企業家同友会(011-611-3411)までお問い合わせください。
ところで先のコメッセージで子供達と遊ぶ時間も持てないようなことを書いて、こんな父親でいいんだろうかみたいなことだったのですが、札幌のNさんから思いがけず励ましのFAXをいただきました。様々な方に読んでいただいて、それなりに感じていただけるところもあるかとは思いますが、本当に嬉しかったです。なによりそれを子供が読んで、「やっぱりおとうさんいいことしてるんだよね、偉いよね」と言っていたと後で家内が私にうちあけてくれました。
投稿者:taka-farm