コメッセージ No.85
うっそ~....そんなバカな、計算上は30や40箱は余るはずなのに....とあわてて見にいくと確かにない....ないないない!
ぎょえ~....苗がないと終わらないよ....時刻は午後の6時半を過ぎている。あと5,6箱あればなんとかなるのに....と、とにかく植え終わった田んぼに置いてあった苗をひとつ、ふたつと集めてみるとまるまる一箱ない半端な苗も含めてどうやら7箱ぐらいはありそうである。
それらを持って急ぎ引き返し、田植機に載せて作業再開。田植機は苗をどんどん食い込んで植えてゆく....あと半周....あと100m....あと50m....あと10m....あ~あっ、なんとあと2mで無情にも苗の供給が途切れてしまった。く、く、くっそう、なんということだ!
あぁ、いつもの俺の仕事ぶりを見事に暗示させる出来事ではあった。結局残したその分は翌日、違う田に置いてあったのを見つけてうちのかあちゃんが手で植えたという次第。
旦那の不始末をかあちゃんがカバーすると、まっ、どこでもあるはなしではありますが、それにしても今年はほんとにきつかった。
そもそも苗作りで失敗してしまって、あまり良くなかったものだから、余計に田んぼに株数を植えようとする....当然のことながら苗箱の反当たりの使用数も増える....作った苗数は例年と同じだから不足気味になってくるのはあたりまえのことだわね。
一週間に渡り20ha(9,200箱)から植えた田植えもこんなふうにしてどうにか終わったのだけれど、いつもは100~200箱はあまして多少は余裕があるのに、まったく綱渡り的状況ではありました。
でもなんだかんだいってもとにかく植えたわけですからまずは一区切りで、収穫の秋が楽しみにもなってきます。とにかく蒔かない種、植えない苗は収穫できないのですから....。
で、こんどはお米のことに替えて野菜類の話ですが、こちらも例年どおりじゃがいも、かぼちゃ、とうきび、えだまめなどの直売をいたします。今年は従来やっていた種芋の消毒は行っていませんし、とうきび、かぼちゃなどの肥料も前年より有機質の割合を高めたものを使用しております。
もちろん一般的な化学合成された殺虫殺菌剤は使用しないで、現在特定農薬として認可すべきかどうか審査の対象となっている木酢液、あるいはある種の漢方薬のような殺虫殺菌効果のある薬剤を昨年同様使用していくつもりです。
ただそこで今問題なのは、JAや生産者のあいだでトレーサビリティー(栽培履歴を追跡可能にすること)への取り組みがなされておりますが、当ファームのようにまだ正式に農薬として登録をされていないものを使用した場合、JAがはたして生産されたお米や野菜を受け入れてくれるかどうかわからないということです。
野菜類はほとんど直売ですから、まぁ問題にはならないと思いますが、米は1割でも2割でも出荷する以上、無登録の薬剤をやったものが混入する(大規模ライスセンター処理のため分別は事実上不可能)のは非常にまずいことになるのではないか....と。
こちらがJAに対して迷惑にならないように、JAに出荷分だけ登録農薬を使えばいいのでしょうけれども、それじゃJA以外の直接購入者に対する当ファームへの信頼性に傷をつけることになりかねないし、私自身の主義主張にも反することになります。
まずはこちらの使用薬剤の内訳をJAに提出して先方の出方待ちですかね?
投稿者:taka-farm