コメッセージ No.91
ずっと春から晩秋にかけてなんぼ遅くても6時前には起きて朝飯まえの仕事に出ていたのだが……..まあ、いいでしょう、来年の春まで少しはゆっくりしましょうや。
で、そんな中、妻の友季子も家の中の掃除をしたりかたづけものをしたりと、夏 場にできなかったことをいろいろやっています。
先日などは農家の奥さん方の味噌づくりの集まりに3日連続出向いて自家用味噌を 1斗樽2つばかり作ってきましたし、ちかじか直売所の見学とかで3日ほど関東方面 に研修旅行に行くとか…..「とうちゃん、3日ほどいないけど留守番頼んだよ… 子供たちの送り迎えもちゃんとやってね……あれもこれも、それもどれも頼む から、じゃ~ね」ってな調子。 夏の頑張りはオフシーズンのリラックス、気分転換があるからできるんでしょうね、きっと。
「男はいいよね、何かというとやれあの会議、この打ち合わせとかいって家をあ けることができるし、たまには一杯飲むこともあってさ」といつも言われるけれ ど、せめて外仕事のない冬場は家内の自由な時間と行動を….少しの手当で保証 してあげなくては….なにせ当社の唯一の正社員ですから。
ところでとうとうほしのゆめ、きららの自主流通価格が1俵60kgで20,000円を 超えたと新聞に載っていましたが、皆さんはご覧になりましたか。 こんなことなら当ファームでも15年産米ちょっと値上げすれば良かった! ….とはちょびっと心の中で思ったことでお許しいただくことにして 今年の不作を受けて、米の小売価格もかなり値上がりしているようですけれども、 ちょっと問題ですよね。
これでまた消費者の米離れが進むんじゃないかとの心配が先にたって、とても生 産者の販売価格が上がって良かったなんて喜んでられない状況ですよ。
とくに北海道の米は大方が業務用、加工用向けに大手の卸さんや食品製造メーカー、 外食チェーンに販売されているため、値上がりはそれら実需者にとって全く使い 勝手の悪いことに直結してしまいます。
不作で量と品質、さらに価格とどれもが崩れてしまったんではこれからの長い付き合いができなくなってしまうんじゃないかな。
これでもし来年豊作にでもなれば、16年度から始まる米の新制度とも相まって一般消費者や大口実需者から敬遠された北海道の米は行き場を失う恐れが大きいと思います。
売れる米を持っていて販売力のある産地はどうぞいっぱい作ってください…… 売れない米を作っている地域は余って売れ残ったって知りませんよ….というの が新しい米政策の柱ですから、どうみても北海道は後者の方で米価は暴落し国内 では負け組みになりそうです。
私が生まれ住む北広島市は今から130年前、中山久蔵さんがたいへんな困難を乗り 越えて道央以北の寒地稲作を誕生させ、その発展の礎となった地です。
そうした先人たちの汗の結晶である水田が開田140年あるいは150年を待たずして この地から無くなってしまったんでは本当に申し訳ない気持ちになってしまいます。
どうぞ皆さんも北海道の米生産の置かれている現状を理解していただいて、地産 地消で道産米をできるだけたくさん食べていただきたいと思います。
でも気の重い結果となってしまった今年もあと残りわずかとなってしまいました。 あなたは気のおけない仲間と忘年会でもやって文字どおりいやなことを忘れて新年を迎えますか? はたまた望年会として来たるべく新年の展望を語る機会を持ちますか?
ま、難しいことは言わずに飲んで楽しく….終わりよければすべて良し….かナ。
投稿者:taka-farm