コメッセージ No.93
この頃毎日のようにアジア各地で鳥インフルエンザが発生して何百万羽という鳥が死に、人にも感染してすでに10人が死亡したとか(2月1日現在)...... ついこの前に山口県で確認され採卵鶏が大量処分されるという大騒動になったばかりですが、日本では鎮静化してすでに終わったことと思っていたのですから、 ここにきてこうして外国での一連の発生にはただただ驚くばかりです。
それにしても以前から"食の安全"には疑問符付いていたわけですが、最近おかし な出来事が頻発していますよね。
昨冬の新型肺炎(SARS)の流行、そして霞ヶ浦での養殖ゴイの大量死.... 養殖業者は否応なく廃業に追い込まれてしまい、日本の半分以上の生産を誇った 大産地が一瞬にして消滅してしまったのです。
それからBSE牛が日本で再び見つかったり、暮れにはアメリカで初めて発見さ れるなど次々と異変が起こっています。
何故こんなことになるのでしょうか?
それはどうも人間の都合で経済的な効率を上げること、すなわち利潤を上げるた めに安価に大量に生産加工し輸送し消費することがグローバル化された自由貿易体制の求めるところに他ならないからでしょう。
できるだけコストを抑えるため狭い場所での多頭飼育、短期間で商品化させるた めの高栄養価、ビタミン抗生物質入り餌の多投が大きな原因になっているといわれます。
当の動物本来のあるべき姿を無視した飼育がなされた結果でしょう。
あまりに経済性を追求するがゆえに、どんな遠くからでも日本で調達するより安ければそこから持ってきて供給するというのですから.... スゴイですね....。
日本人の胃袋は世界中のものを飲み込んでしまうんですね。
でも考えてみてください、タイ、中国がダメならブラジルからとそれこそ地球の 反対側から冷凍船か航空貨物便で持ってくるのでしょう。
それっていったいどれだけの輸送エネルギー(燃料)を消費するんでしょうか?
焼き鳥屋さん牛丼屋さん、そしてスーパーなどはたいへんでしょうが地球環境を少しでも守るためにこの際いっぱい食べるのをちょっと我慢して国内産のちと高いかもしれないトリ串でも、あるいは牛のスキヤキでも味わうようにしてみませんか。
ところで今回のアメリカでのBSE発生についてはそのエゴさかげんがむき出 しになりましたね。
日本で発生してからは輸入を禁止しておいて、逆の立場になったとたん全頭検査 は必要なし、日本やEU並みの十分な検査体制もとらず輸出を再開させろとゴリ押しです。
アメリカは自国の規範が世界の規範たるべきとでも思っているのでしょうか。
イラクでの戦争と同じく"力"の論理でどんどん要求を押してくる。
ずいぶん前のコメッセージでアメリカのふところの大きさ、国民のおおらかさや 持っているエネルギーのすごさなど肯定的に書いたこともあったのですが、何か 今の姿をみているとちょっとズレていないのかなァ。
さてさて日本の政府、農水省はどこまで自国民の食の安全を守ってくれるでしょ う....みんなで注意して見守ろうではありませんか。
2月になり日もずいぶんと長く、そしてやわらかく、温かみも増してきたように思います。
ぼっちぼっちと頭と体を春の肉体労働モードに切り替えなくっちゃと思いつつ. ...あぁ、でももうちょっと冬眠期間があってもいいなぁ....と思う今日 この頃です。
投稿者:taka-farm