コメッセージ No.97
ゴー・・・・・っという音とともに軽快に田植機が田の上を走ります・・・・・・ そう、まさに"走る"という形容がピッタリくるような早さで植えていくのです 。
おそらく100人の人間が植えてもかなわないでしょう。
天候、田や苗の状態、苗の運搬、供給態勢、田植機の調子などの条件がそろえば、一日に3ha~4haを植え付けることができます。
当ファームでものべ9日、実質7日半で20.1haの田植えを終えることができました。
田植えの期間中、5月26日にはアイガモのヒナが大阪よりやってきて、 その受け入れのための飼育場の段取りをしなくてはなりませんでしたし 、長沼町にある通い作田への機械の移送など、どうしても植えられない日があったのですが、さしたるトラブルもなくすすめることができました。
稲作農家にとって田植えは本当に戦争みたいなものです。
中断することなく効率よく作業を進めるために田植機が止まっている時間を極力少なくすることが必要ですが、機械の点検整備、ハウス内の苗のトラックへの積み込みと片道16kmある運搬、さらにトラックから田植機への積み込み、こうした一連の作業を無理なくこなすための人員配置 を考えなくてはなりません。
これらがすべてうまくかみ合って順調な田植えができるのです。
いわば田植機のある前線部隊と苗を供給する補給部隊の連携プレーで 田植えは成り立っているということです。
"田植え"というとよくテレビ等で早乙女が田楽などの笛、太鼓にあわせて あでやかな衣姿で植えている様子が映し出されることがありますが、こうした一種の儀式とは全くかけ離れた形で"現代田植"は行われているのです。
それから今年の作付け品種ですが昨年にない、文字どおりちょっと変わり種の品種に挑戦してみますので乞うご期待としておきましょうか・・・・。
主力はほしのゆめ、ななつぼしでゆきひかりを若干増やしております。
ゆきひかりはこの頃ホームページで見られた遠方の方からの注文が相次ぎ、なにやらブレークしそうな雰囲気が感じられますので、少しづつでも増 やしておいた方がいいのではと思われるのです。
それだけお米アレルギーも増えてきているのだろうかと懸念されるところですが、できるだけお客様の要望に応えることができるようにしておかなければなりません。
さらに今年、アイガモ農法以外のやり方で機械除草もせずに除草剤を使わないようにしてお米を作ることにチャレンジいたしますので、どんな結果がでるかこれまた乞うご期待ということを皆様にお知らせしておきます。
常日頃より新しいことに前向きに取り組む姿勢だけは無くさないよう心がけていきたいと思っています。
話は替わってアイガモ君たちのことですが、今年は同じカーキーキャンベルという品種でもより野生の血の濃いマガモに近いタイプのものに戻すことにしました。
昨年はヒナのときはカラスにやられたり、田に放してからは野生化したミ ンクに襲われたりと散々な目に遭いましたので、少しでも警戒心が強く俊敏性のある方がいいのではと思ったからです。
ただこれにも欠点があり、警戒心が強いということは人にも慣れにくいと いうことですので、痛し痒しの面は否めませんが・・・・・。
再び田植えに話題を戻しますが、私が小学生だった頃、大勢の自衛隊 の方々が田植えの援農に来てくれていたことを思い出しました。
さてさてイラクはますます混迷の度を強めていますが、もしイラクで自衛隊の皆さんが苗を育て、田んぼを作って、田植えをしてお米を収穫して住民 に振る舞ったら・・・・・・?
田んぼを作っている部隊に彼の地のゲリラは攻撃をしかけてきますかね。
そういえばイラクにはチグリス、ユーフラテス河沿いに大きな湿地帯があったっけ。
小さな田んぼぐらいはできるかも・・・・同じ泥沼にはまるなら田んぼの方 がいいね。
投稿者:taka-farm