コメッセージ No.98
6月22日、北広島市内の小学校4年生、149名が当ファームに総合学習の一環として田 んぼでの米作りの勉強にきた時の様子ですが、今までこれほどの数の子供たちは来た ことがありませんでしたので、さてさてどういったあんばいになることやら・・・・。
ひととおり挨拶をすませた後で子供達から質問を受けます。
子供達の興味はもっぱらアイガモの方に向きがちですが「農業は気に入っていますか?」「年間にどれぐらいもうけがありますか?」というような、こちらも「えっ!」と思うような質問もあって若干、答えに窮する場面もありました。
まあ、その場はなんとか苦笑い?、照れ笑い?なんかでどうにか対応したものの、4年生の子供達に分かってもらえるように話すというのはやっぱり難しいものですね。
さて、それからいよいよ田んぼへの移動です。
しかしカモ君達にすれば、こりゃいったい何が始まったのだということで、子供達の 期待とはうらはらに、さっぱり寄りつこうとはしません。
ずーっと遠くのほうで小さな点々となって動いているのがわかる程度です。
子供達の興味はカモばかりでなく田の水中を泳ぎ回っている小さな虫や、カエル、水 面に浮いているドロドロっとした藻のようなものの正体、はては田の水そのものがどこから、どのようにしてやってくるのか、そしてその水はどのようにして田に分けら れるのかなど、実際現場に立たないと決して出てくることのない質問が発せられます。
そんなことで、しばしカモ君達のことは置いといてとは思ってはみたものの、やはり まぢかに見せてあげたいというのが正直なところで、とっておきの最後の切り札を・・ ・・・餌付けのための笛を吹くことにしました。
餌を与える朝と晩しか吹かない笛だけれども、今日は特別ということで「ピー、ピピピ、 ピー、ピピピ、ピーッ」と吹き鳴らします。
子供達がじっーと見守るなか、ほどなく百数十羽の集団が来ました、来ました。
思わず子供達の間から「かわいい!」と歓声があがります。
ここでカモ使い?のおじさんとしてはちょっと鼻高々なんですね。
こうやって笛を使ってさもカモ君達を自由に操っているかのように振る舞うのです・・・・が、実際はカモ君達に毎日毎日、振り回されているといった方がいいぐらいで、アイガモ農法9年目を迎えてもなお達人どころか失敗の連続の日々ではあります。
子供達はいつのまにかそれぞれに散らばり、田に素足で入る子やカモを食い入るように見てスケッチをしている子、カエルを捕まえようとしている子、そして私にあれこ れと質問を連発する子・・・・おそらく田をこれほど間近にしたことはこれまでなかったの でしょう・・・・・天気の良さも相まって子供達の喜々とした顔がとてもまぶしかった。
今度は実りの秋の頃にでもどうぞまた見にきてください。
話は替わって先日、北海道拓殖大学の相馬先生が新規就農者を支援するための運動(新規就農支援トラスト)をおこす旨のことをマスコミ等で発表していましたね。
現在北海道の農家戸数は約6万戸、50年まえの4分の1、そして一年間でおよそ3,000 戸の農家が離農しているそうな・・・・・。
このペースでいけば10年もたてば半分になってしまう勘定です。
そしてとりわけ問題なのは"米農家"に後継者のなり手が少ないことでしょう。
当然、新規就農で米農家を始めようなんて人は皆無に等しいし、このままでは北海道からお米どころか田んぼが消えてしまうかもしれません。
素敵な笑顔の小学生が将来、僕も私もお米づくりやってみたいと言って気軽に"農"の世界に飛び込めるような仕組み・・・・・・それを私たちは作っておかなければならないでしょう。
投稿者:taka-farm