コメッセージ 113号
朝、起きて米の乾燥の具合を見に納屋に行くと、アラームの音が鳴って乾燥機が停止しています。
水分計を見ると22%で、こりゃいかん、やばいぞ!早いとこ動かさなきゃ中の籾が焼けちゃう。
籾が焼けるとは高水分の籾を長時間にわたって積んでおくと発熱して赤黒く変色してしまう状態で、もちろんお米の価値としては無きに等しいものとなってしまいます。
慌てて原因を調べますが、すぐにはわかりません。
籾がつまっているところを取り除いたり、ベルトの張り具合をみたり、5mもの高さを上がったり降りたり、くたくたになって試行錯誤の連続で小一時間経ってやっとベアリングの破損に気づきました。
あぁ、こりゃ自分じゃ直せないということですぐに農機具屋さんを呼びますが、これまたなかなかすぐには対応できないもので、来て直してくれるまでの時間の長いこと長いこと・・・・・もう少までの時間の長いしでお昼になるというころにようやく運転再開、幸い心配された籾の変質もなくホッと一安心。
今年の稲刈りは9月30日で終わり、例年よりも10日ぐらい早いと思いますが、それにしても今年ほど稲刈り収穫関連の機械のトラブルが多発した年もありません。
年々機械も古くなってきてここを直したら今度はこっち、この機械を直したら今度はそっちの機械・・・・・というふうに次から次へとです。
まだ刈り取り一時中止というような重大なトラブルでなかったことが救いですが、このままでは機械が先に参ってしまうかそれとも自分がよれよれになって降参してしまうか?みたいなことになりかねません。
そうしたことから年齢がいくに従い自分の体力の衰えをカバーするのにより能率の上がる機械、トラブルの少ない機械(新品)を求めたくはなりますが、このところの無茶苦茶な低米価=農協への出荷価格にあっては、売り上げ増に直接結びつかない投資はできようはずもありません。
無理がたたっての怪我や病気だけは絶対避けなければなりませんが、一方でまだまだ体力勝負でコストを下げるために機械は極力買わずに頑張り通さなくてはならん・・・・のです。
ところでアメリカのハリケーンの被害のすごさには驚きましたね。
連邦政府と州政府当局のさや当てとなっている人災も相まって、はからずもあの世界一の超大国アメリカの裏の現実が知れるところとなりました。
物にあふれ、豊かさに浸っていた(と思われた)都市や人々が洒落じゃないけれどインフラの不備や逃げる手段のないまま、それこそ濁水に浸ってしまったのはおごり高ぶる"人"の世界への警鐘かとも思われるほどです。
時を重ねてここ日本、北海道にも台風が上陸して昨年の二の舞かと暴風雨の夜、生きた心地もしないで明かしましたが、昨年とは違って目立った被害もなくホっと胸をなでおろしたものです。
「天」のなす業には彼我万人、等しく抗うことはできないのですよね。
さて大きな収穫も終えて気がつけば秋もどんどん深まっていっています。
ちょっとのんびり透き通った夜空でも見上げて星々のキラメキにメランコリックな気分に浸ってみましょうか。
「自分」は来年もこのままでいいのかな?
「天」はやさしく十分な恵をくれるだろうか、それとも厳しい試練を課すのだろうか?
来年蒔く種籾はしっかり確保しつつ・・・・天をあおいで自問自答。
投稿者:taka-farm