コメッセージ 115号
ホコリを吸い込まないようにマスクをつけますが、体には籾殻特有のチクチク感があって何となくイズイのです。
ダンプトラックの荷台に大きな枠をつけていっぱいに詰め込んで、あとは上に飛散防止のテントと網をかけてしっかりとゴムひもで固定します。
こうして10数キロ離れた江別市にあるJAのライスセンターからのべ50台ほども籾殻を運んできて、私の叔父(父の弟)の作業場の脇にある堆肥置き場に入れました。。
これは私の叔父とのいわばジョイント事業(共同作業)で今年から本格的に私も加わることにしたのです。
叔父は毎年籾殻を大量に運んでは鶏糞などと混ぜて攪拌し堆肥を作っており、水田やネギに施して立派な作物を作ってきました。
私は養豚農家に餌用に米ぬか、敷き料(寝床用)として籾殻を提供して、その見返りに豚糞堆肥をもらったり、あるいは近所の酪農家から牛糞堆肥を購入して田畑に撒いてきましたが、徐々にその確保が難しくなってきており、この先安定して量を確保するにはやはり、自分で少しでもやっておかなければという感じになってきたのです。
それで篤農家(とくのうか)である叔父を見習って堆肥づくりに精をを出そうかということなのですが、やはりこれがたいへんなことで前述の運搬のあと超くっさーの鶏糞との攪拌を何回かやらなければなりません。
水分を補給したり、トラクターでの攪拌、切り返しをくりかえし、再来年の春に間に合うようにしなければならないのです。
叔父のコツコツ重ねてきたこうした努力というものをいまさらながら大変なことだなと改めて思うところです。
しかしこうして頑張ってきた叔父もすでに70をすぎて、しかも残念ながら後継者がいません。
今、日本全国で農業経営者の平均年齢はたしか65才以上にはなって70才に近づいていると思いますが、そのうち後継者のいる農家は3割もないはずです。
結局私の叔父のような昭和一桁前後の人たちの頑張りでもっている部分がかなりあって、そういうことからも日本農業は危機的な状態でしょう・・・・。
そしてまたまたショッキングな話で、ここ北海道ではこの5年間で10,000(いちまん)戸の農家が離農したって言うじゃないですか。
現在は5万戸を切ってしまったって・・・・・このペースでいくとあと20年で北海道から農家がいなくなる=農業が無くなる・・・・・ってな単純なことにはならないとしても、これは由々しき問題ですよ。 規模の拡大につながりより効率的な経営ができるという向きもあるかも知れないが、地方からどんどん人がいなくなればその地域は必ず廃れていきます。
"人"あっての暮らしであり経済であり地域であるはずです。
"人"金"物"が札幌に集中して、さらにそれが東京に行ってしまう・・・・いつまでこんな流れを我慢して(甘んじて受けて)いるのでしょうか?
首都圏では耐震データ偽造のマンション建設問題で大騒動が起きています。
法を犯してまで金儲けに走る魑魅魍魎(ちみもうりょう)どもが跋扈(ばっこ)し、それらが建てた、まさに砂上の楼閣はいったいどれほどあるか・・・・日本中の金が東京に集まってそれらがどれほど意味のある使われ方をしているのか?
東京もんは地方をお荷物扱いするがいつまでもそんな時代が続くとは思えんのですけど。
と言ってるうちに早、師走、またひとつ年をとって、それからブツブツとコメッセージをしたため続けることでしょう・・・・来年も宜しく。
投稿者:taka-farm