コメッセージ 117号
しばし屋根の雪下ろしなんてしたこともなかったのですが、ついに今年長沼の田にある機械格納用のD型ハウスが雪の重みで潰れるんじゃないかと心配でやりましたよ。
しかしこれがまた道路が除雪していないため隣のS氏宅より"かんじき"をはいて、アルミの梯子、スコップ、ジョンバーなど一式抱えて360m(200間)も歩かなくてはならないときたもんだ・・・・。
屋根の上には一番多いところで1m以上は積もっていて、それをスコップやら"ママさんダンプ"を使って降ろしました。
そんなに大きな建物でないため一人で正味3時間ほどで終わりましたが、新潟、秋田の大雪の話を聞くにつけ、まだまだこんなもんで済んでいるだけありがたいと思うべきかもしれませんね。
考えてみれば、こうした雪が天然のダムの役割を果たしているわけで、貯水量にすればどれほどの恩恵を受けているのか・・・・田に水が行きわたり稲が作れるのも雪のおかげ?
ところで"IT"やら"株"の世界は私どもそれこそ"地に足のついた"仕事をしているものにとって異次元の世界のことのようです。 時代の寵児と言われこの数年話題を振りまいていたホリエモン氏ですが、10年ほど前600万円の借入金を元手に始めた会社をこの数年の間に株分け、企業買収を繰り返し時価総額7,000億だか8,000億円だかの株資産を持つ会社にまで急成長させたとか・・・・それが問題になっているのですけれども・・・・私達稲作農家にあるのは文字通り「稲株」しかありません・・・・しかも本当に安い株です。
さてここでちょっとおもしろい計算をしてみましょうか。
10アールあたり8俵収穫して1俵10,000円の単価(北海道17年産米農家手取り)であれば80,000円になります。
で、その広さには坪72株として10アール300坪だから21,600株で一株あたり3.7円です。
さらにおよそ7株で茶碗一杯のごはんができるそうですから、1膳で26円ぐらいでしょうか・・・・これがごはん1膳での生産者の手取り分で皆さんが農家に支払っている分といってもいいと思います。
これに農協やら米卸、小売りの利益を上乗せした価格で消費者は購入するわけですが、お米の場合いくら高~く見積もっても50円にはならないでしょう。
現在では日本人平均ひとり一日2膳食べるでしょうかね?
仮にそうだとして2×50=100円プラス電気かガス、水道代・・・・・で主食といわれるお米をまかなっているということになります。
この100円が高いか安いか立場によっていろんな見方があるとは思いますが、農家側から言わせてもらうならば、缶コーヒー1本にも満たない稲"株"は本当に安すぎじゃないでしょうか? その上この株は安いからといって誰も買ってくれはしませんね。
将来性のない会社の株を買う人がいないのと全く同じで、当然こういう会社には優秀な後継者も育たないし、社員(新規就農者)も入ってこない。
じゃ稲"株"価を上げるにはどうしたらいいのでしょうか・・・・・・・・・・コンビニで売っているオニギリは1個140円として、あれぐらいの大きさだと7株もいらないかな?
で、ごはんが22-23円のものがやや倍の40円、そして中の具やノリの分と手間賃、利益で100円とすればお米の手取りは10アールで60,000円は増えるから、米の生産だけでも十分採算が合うし、さらにオニギリの販売分が加われば・・・・・という皮算用だけはできるのですが、なにせノウハウもなければ資本もない。
「絵に描いたもち」から食べられる餅に・・・・するのは、う~む、むずかしい!!
投稿者:taka-farm