コメッセージ 129号 2007年02月号
ウウウウっとやや一年ぶりの再会に嬉しさとホッとした安心とで感無量....本当に元氣で帰ってきてくれた。
実は昨年2月下旬から長女のN子が単身ニュージーランドに語学研修で行っており、その期間ホームステイやらアパート暮らしをしながら語学学校に通い英語の習得に努めていたのです。
海外での長期にわたる生活は頼る人もなくとても大変な困難を伴うはずで、初めの頃電話の向こうで聞こえる声は確かになんとなく元氣がないようで心配されたのですが、それも半年を過ぎ山を越えたかなと思われる頃より余裕が感じられるようになってきました。
私も米国、カリフォルニアで24歳の時、5ヶ月にわたる農業実習を経験したのですがあの時は外に仲間がいて2人の共同生活でしたから、多少の厳しい労働やボスの叱責にも耐えられたという思いが強いのですが、ひとりぼっちでしかも外国での暮らしはホームシックやらストレスで精神的にタフでなければ続けられないということを身をもって体感してきたつもりです。
だから余計に、そうした厳しい環境に身を置いてほぼ一年という長期を若干19歳の娘が成し得たということに一層の感慨を持つし、この経験というのは娘にとって計り知れない財産になるはずです。
それにしても時代は変わりました。
帰る早々、娘はパソコンに向かいタイにメールを打って何やら会話?を楽しんでいる様子。
画面を覗くと英語で文を打ち込むと瞬時にタイから返事が返ってくるようで、お互いやりとりを数十回繰り返して....「ああおもしろかった」だって。
「お前、いったい誰と話してんだ?」と聞くと、「同じ学校で勉強してたタイ人の女の子だよ」とか....そこの学校では韓国、中国、台湾など東アジアの国々はもとより、中近東、ヨーロッパの方からも来ており、「私のボーイフレンドはサウジアラビアの子だからね」なんてぬかしよる。
思わず「王族の息子か!?それなら許す」なん言ってしまった私ではありましたが、子供達の世界は国境を越え、人種を越え世界人(地球人)の感覚で動いているのですね。
しかしふと目を足下に見やれば、「地産地消で地域活性化をはかり固有の食や文化を見直し、地域を崩壊の危機から守ろう」というようなことが毎日、そこかしこで言われています。
もちろんこれはこれで自分では正しいこととは思います....が、時あたかもインターネット万能でマイクロソフト、グーグルなど超巨大IT企業が世界の情報、経済を牛耳ることが現実味を帯びてくるにつれ、そして子供達がほとんど無意識のうちに"国際人化"していることを思うときはたしてどれだけの力を持ちうるのでしょうか。
娘の帰国に際しその成長を喜びこれからの無限の可能性に期待もするのだけれども、一方で地域に根っこをおろして頑張っている私のような立場の者にとってはこれからの世界が、そして地域がどんな風にからまっていくのか想像の範囲を超えていることを実感させられた次第ではあります。。
今回の帰国にあわせて妻もニュージーランドに正味1週間ほど滞在し娘の案内で観光してきたのですが生まれて初めての、そして結婚22年目にして初めての海外でした。
一年ぶりの再会の娘に案内されての海外旅行はとても楽しかったようで、ああだった、こうだったと"にっこにっこ顔"で話します。
あぁやれやれ、このガス抜きで10年間は大丈夫かなと私が内心密かにほくそ笑んでいると家内の曰く「またN子に案内してもらうから頼むね」だと....ちょっとちょっとちょっと・・・・・・。
投稿者:taka-farm