コメッセージ 146号 2008年 07月号
実は今年、私は地元の町内会長をやっており、その町内会の約束ごとで併せて農家の農業関連の事業を行う農事組合という組織の長も兼任するということから、農事組合長という役も引き受けていたのです。
で、たまたま今年が任期3年の農業委員の改選期にあたり運悪く?農事組合長だったがために推薦委員の一人になってしまいました。
で、会議に赴くと今度は地区割ができており私の所属する地区の推薦責任者(推薦委員長)をもやるハメになってしまったのです。
今、私の担当地区では各農家、米では食っていかれないということでそれこそいろいろな作物を作っており、忙しさが先に立って農業関連団体(JA、農業共済組合、土地改良区、環境保全会など)の役など引き受け手がいないというのが実情となっています。
おまけに非農家との混住化、超高齢化も進み若手後継者の補充がままならない中、人はだんだん少なくなるのに、組織の数はほとんど変わりませんからいろんな組織、団体のいろんな役を少人数でかけ持ちしなければなりません。
たしかにJAや共済組合は広域合併して理事、監事など役員の人数を減らしていますし農業委員についても定数減という手を打ってはいますが、それ以上に若手の人材の補充が危機的状況にあるということなのです。
さらに農業委員さんの選挙というのは公職選挙法にのっとってやりますから、万一選挙にでもなればたいへんなことになります。 そのような状況下での候補者選びですから難航するのは火を見るよりも明らかでしょう。
それにしてもグローバルな投機目的の原油高に端を発した物価高騰はいつまで続き、私たちを苦しめるのか。
ガソリンやら軽油はこれ以上あがらないだろう?と思うほどだがハウスビニール、肥料などは来年までに5割も上がるということで今から来年の分も用意しておいた方がいいぞなんて農家の間でまことしやかに囁かれているしまつ。
このコスト上昇分を販売価格に転嫁することを流通、卸業者、末端の消費者、市民はうけいれてくれるだろうか?
飛騨牛、愛知のうなぎ・・・・またまた出てきました「食」の偽装ですが、中身が本物で高品質な物を生産者が誇りをもって持続的に長期間にわたって生産するにはそれなりの"利益"が必要です。
ごまかしてまでの利益を貪(むさぼ)った末路はミートホープや船場吉兆でしょう。
どうか皆さんには私たち農家が両者と同じ過ちを犯さざるを得ない状況に追いやることのないよう、生産の現場の声を聞き、様子の把握に努めていただきたいものです。
私の住む北広島市は人口約62,000人で20歳以上の選挙有権者は8割として50,000人あまりとすると、今回の農業委員の選挙有権者(いわゆる農業者と言われる人)が400名たらずですから・・・・なんと100人に1人の農業者もいない!ということになります。
一戸あたりの経営規模や形態がわかりませんから一概には言えない部分もありますが、それにしても1人で100人以上の食い扶持(くいぶち)を支えるというのは少々きつくはないでしょうか?
農業委員というのは別名「農地の番人」とも言われています。
ただでさえ農家人口の減ってきているこの市(マチ)でせめて、生産力のあがる優良な農地を次代の農業者のために、いや次代の北広島市民のために残していけるように、今回の選挙で地域の推薦を受け当選された農業委員さんには是非とも頑張ってもらいたいですね(先月29日8名の方が無投票で当選されました・・・・本当に良かった)。
投稿者:taka-farm