コメッセージ 150号 2008年 11月号
商標登録を特許庁に申請したのが平成8年で正式に当局の許可が下りたのが10年の10月ですから先月末をもって10年の期限が満了したというわけです。
5万円弱の登録費用を払って更新の手続きを済ましたのですが、これで向こう10年の商標権が守られることになりました。
この商標(ネーミング)でお米の販売を手がけてまる12年、紆余曲折を経ながらもどうにか現在の姿に進化?してきました。
田園交響楽という名の由来についてはパンフレットに書いてある通りで=お米のおいしさは大自然の「天」と「地」の恵み、そして小さなコンダクター「人」のシンフォニーからつくられます=から来ているわけですが、この名前の表す概念、価値観は12年前と現在と比べると自分から言うのもなんなんですがより一層、重みが増しているようにも思います。
すなわち天地とは人の生まれた、その地の自然、風土で大きな恵をもたらしてくれるもの。
そしてその恵は正にちっぽけな存在である人が天地との調和のとれる範囲で創意、工夫を働きかけることによってより一層大きなものとなる・・・・・。
地球温暖化から来る環境問題、人口爆発から来る食糧不足、グローバルな経済、貿易流通から来る食の安全への危機・・・・・・・・。
この12年の間に私たちの住むニッポンに限って言えば「食」に関しては決して良い方向に向かっているとは言えないと思います。
自給率は相変わらず40%あるなしというていたらくなわけですが、見かけの飽食の中でメタボを気にしたり、ダイエットに励んだり、朝食抜きの子供には朝食給食まで用意される始末で、学校給食が唯一のまともな食事の子供がたくさんいると聞きます。
最近は切れやすいのは子供だけじゃなく大人でも普通に見られるようになりました。
「食」の乱れが日々のニッポン人の生活、暮らしに徐々に好ましくない影響を及ぼしてきているのです。
ところで、総理大臣もまたまた替わって麻生さんになりました。
当然内閣が替われば農水大臣も替わります・・・・・でなくて農水大臣は内閣が替わらなくても自滅で替わったのでした。
農業やっている私ですらこの2年ほどの農水大臣が誰で何をやったか・・・・名前ぐらいは何人か知っていますが何か不始末をしでかした大臣としか覚えておりません。
こんなことで腰を据えて外国との農産物貿易の交渉や国内農業の待ったなしの振興策の策定なんてできるのでしょうか。
今また衆議院はいつ解散する、しないでまな板に乗る先生方の気もそぞろといったところなんでしょうが、投票する側としても「農」と「食」をどう捉えているのか、どうしたいのか、十分聞いて判断したいと思います。
皆さんも棄権だけはしないでくださいよ・・・・投票所に行きもしないで政治に不満を言うのはおかしいのではないですか。
まずはきちっと権利を執行してからもの申すのがほんとの形でしょうから。
しかしそれにしても現代日本では権利(エゴ)の主張はすごいですよね。 商標権や特許権の争いならばいざしらず、十分な所得があるのに給食費や国民年金、NHKの受信料などを何かの理由をつけては不払いしたりモンスターペアレント、モンスターペイシェントなる怪物が跋扈(ばっこ)する。
権利は権利でも一番大事な選挙権を放棄(都市部では投票率が低すぎる)しておいてなにおかいわんやであるが、こうした風潮の源流にやはり「食」の乱れがあるように思います。
何せ「食」という字は人を良くすると書くのですから。
投稿者:taka-farm