コメッセージ 174号 2010年 11月号
しずかな里の秋、お背戸に木の実の落ちる夜は....♪♪
と口ずさみながら栗の木の下に落ちている実の入ったイガを探しながら歩きます。
と、突然ドサっと大きなイガが地面に落ちた音.....振り向くとおっとっと....あったあった。
あっ、ここにも、そこにも、あっちにもこっちにもあるじゃないの。
今年はいつになく栗は大豊作で晩のおやつは毎日のように茹で栗となりました。
例年ですと木の下はアイガモの遊び場になっているので、たとえたくさん生(な)ったとしてもこれほど穫れることはなかったのです。
今年アイガモ農法を見合わせた余録がこんなところで出て来るなんて思ってもみませんでした。
この栗の木は20年以上前、子供達がよちよち歩きの時に家内の実家から持ち帰った栗の実を鉢に植えて苗木として育てたものを空き地に移植したもので、いつの間にかとなりにあったイチョウやカエデ、マツ、桜よりも大きくなってその存在感を増していたのです。
そう思うと何やら我が家での家内の存在感?が年々高まってきたのと軌を一にしているような気もしてきます..........。
しかし残念ながらその木もこの11月伐採することになってしまいました。
実は千歳川の堤防の大規模な改修でその用地に入ってしまうことになったからなのですが、それを知ってのことなのかこれが最後とばかりに実をつけてくれたのでしょうか....?
だとしたら子供達の成長を見守って来てくれただけに、よけいにかわいそうな気がしてしかたがありません。
今年は日本全国あちこちで熊が町中に出没して捕獲されたとか、射殺され駆除されたなんていうニュースが流れていました。
道東の斜里町では堂々と車の走っている街の通りを歩く親子熊の写真が新聞の一面に載っていましたね。
私のところの栗でさえ豊作ということで山の木の実など熊のエサはけっこうあるらしいのに、里山を越えて人間社会に出てくるなんて....最近の熊は人間に慣れて恐れなくなってしまったとかいう話しもあります。
もちろん野生の生態を犯してはなりませんが、人間がところかまわず無分別に入り込み開発し、そして投資に見合わないとなると撤退していつのまにか荒廃地に変貌する.....まったく人間ってやつはどうしようもないヤツらだなと熊やきつね、エゾシカなんて思っているのじゃないだろうか。
なんて考えつつなにげなくイガをつかんだら思わず「あっ!イタタ!」とげの痛いこと痛いこと、栗も子孫を残そうと必死でいつのまにかイガで防御する仕組みができたんだね。
しかし里山での山菜取り、栗拾い、キノコ取り、川や海での魚釣りなど、実益を兼ねながら自然に遊ぶことってやっぱり楽しい。
ただ人間って欲張りにできている動物なんで、本当は少しのおこぼれを頂戴するぐらいにしとけば自然界との調和ももうすこしうまくいくんだろうと思うけれども、国の財政が逼迫するなか、人間同士で金のむしりあい、分捕り合戦をしている様子を見るにつけ、ああ、到底無理かなと思ってしまいます。
ここで最後に大事なお知らせ....2品種の玄米について昨年と同じく残留農薬の検査をしたところ、今年は施用したイモチ病の薬のみ2種類について検出されました。
ただしその量はどちらも0.01~0.02ppm(50t~100tの玄米に1g)とごく微量で、基準値の1/50~1/100の数値ですので、ほっと安堵したところです。
詳しくはホームページに載せましたのでご覧下さい。
投稿者:taka-farm