コメッセージ 175号 2010年 12月号
が吹き出して、ぐるぐるぐる~っと野獣の姿の主役が宙に浮いて回り、煙がうっすらと消えてなくなると現れたのは美しくハンサムな王子様だった.....これは言わずと知れたディズニー映画の「美女と野獣」の劇団四季による日本版ミュージカルの終幕に近い場面です。
先月、家内と東京に出向く用事があって、どうせ行くのならこちらではなかなか見られないイベントやステージものを味わいたいものと思い、大井町の四季劇場に出向いた次第。
中段より少し上の席での観劇で俳優さん達の顔の表情まではわかりませんでしたが、華やかな舞台、生身の人間が歌い踊る様はやはり映画では味わえないですね。
ほぼ客席は埋まっておりロングラン公演でもかなりの観客動員数になるようです。
やっぱり東京なのかなぁ~....とにかく人が多い....というより人が湧いてくるってな感じだもね。
その劇団四季が来年3月札幌に劇場をオープンさせるべく、ただいま工事中とのことで今までのように何年かに一度、地方公演に訪れるというのではなく常設の劇場で上演するようにするらしい。
北海道でもこうしたステージが常時観られることはたいへん素晴らしいことで期待もするところだけど、東京、関東一円3,000万人とせいぜい道都一円300万人の規模の違いをどう克服していくのか....そしてそうしたものを観るという文化的な土壌はいったいどうなのか?
もちろんそれぞれのサイフの部分も含みますが。
もっともスポーツの分野ではファイターズのように成功している例もあるので、あまり心配することもないかもしれません。
これからは北海道も経済の厳しさばかりに目を奪われるのではなく、文化的なものやスポーツ、エンタテインメントなど外に出て楽しむ気持ちの余裕みたいなものが欲しいですね。
ところで12月といえば私は子供の頃は冬休みと♪もう~すぐ寝るとお正月....ということでそちらのイメージが強いのですが、この頃はクリスマスの方に分があるみたいです。
クリスマスソングが街中に響き渡り、いたるところイルミネーションで飾り付けられてとってもきれいですが、近年は一般家庭に普及して町内会こぞって飾り、そこが観光地化しているとか、私もわざわざ遠回りして見てその見事さに圧倒されたこともありました。
30年ほど前アメリカに農業実習で半年弱住んだときに、こうした光景はけっこう見られて、さすがアメリカ、ゆとりと遊び心があるんだな~っと思ったことを思い出しますが、よもやキリスト教徒が圧倒的に少ない日本でこうしたデコレーションが見られるようになるとは。
まぁキリスト教とデコレーションにはなんの関係もありませんが、日本も"ゆとり"の現れと言えばそうなのかも知れません。
平成22年は3月にはなんだかんだと言いつつも家内と結婚25年の節目を迎えられた喜びと、6月には脳梗塞で倒れ半月ほど入院するも無事退院できた幸せを得られ、あらためて人生の苦楽を味わった年として私の記憶に残る年となりました。
そして年々歳々低下する米価のもとで田畑の経営を切り盛りし、家族の生活を成し得るためと称しつつ少しの我慢とちょっとの無理、自分だけのカラまわりがつもり積もって心と体に"ゆとり"を無くしていたようにも思います。
野獣の凍りつき閉ざされた心を少しずつ溶かし、ついには魔法まで解いて元の姿に戻したのはこころ優しい娘を愛するようになった主人公(王子)自身の"こころ"でした。
自分が変わらずに家族や社会に変わってもらおうとしてもきっとダメなんでしょうね。
来年は自分だけでまわそうと思わず、決して無理をせず、あまり我慢することなくラク~な気持ちで行こうと心底から思っています。
投稿者:taka-farm