コメッセージ 191号 2012年 04月号
風呂に水を張るのにも今までの半分程度の時間ですみますし、洗濯だってすすぎに水の切れるのを心配することもなくなりました。
料金の心配は別としても水量の心配をすることなく水を使えるというのは、ほんとにありがたいことで文明の恩恵の最たるものかもしれません。
この現代日本で何を言ってるのと思われるかもしれませんが、実は私のところはこれまで水道が通っていなかったのです。
今でも山の中やら人里はなれたところでは井戸(地下水)や沢水で水を調達しているところがあるにはありますが、田舎の農家でも今日日(きょうび)まずほとんど水道が普及しているのが現状です。
ではいままでどうしていたかというと30数年前160mの深さに掘った井戸(自噴)を使っていたのです。
しかしその井戸もだんだんと湧出量が少なくなってきて、近年は冒頭にも述べたように父母宅と我が家、2世帯同時に使うと非常に心許ない状況になっていたのです。
炊事や洗濯は主婦にとって毎日のことであり、それがままならない状態がこのまま続いて行くようであれば水争いで"爆発"は時間の問題となります。
それを避けることは我が家族の安泰に即つながりますので、昨年12月に家内念願の水道開通に至ったわけです。
今冬は大雪で大変な被害が出たわけですけれども、雪というのは形を変えた水ですから山に積もった雪は天然の水だめダムとも言えます。
日本は昨夏大変な集中豪雨、ゲリラ豪雨で土砂崩れなど多発したことは記憶に新しいのですが、一方で雪やら雨の恵みで水の不足に悩むということはあまり聞かれませんし、田んぼでお米ができるのも水の恵みがあるからに他なりません。
世界的にみても日本ほど水の恩恵を受けている国はないと言えると思います。
となりの中国では大河の揚子江にとてつもなくでかいダムを作って、その水を水不足にあえぐ華北、北京周辺に配水するらしいのですが今度は流域の華南(河南)の方が不足気味になるなど、その対策で苦慮しているようです。
たかが水、されど水で農業生産、経済発展のアキレス腱となりつつあります。
私のところの井戸は飲用に適しているかどうか、保健所に検査をしてもらったことがありましたが、結果は大腸菌も検出されず安心して飲んでも大丈夫というものでした。
天然の水を求めてあちこちの湧水地に赴き、ポリタンクに何個も汲んで持ち帰る方々もたくさんいるなかで、そんな水が湧き出てるなんて羨ましいと思われるかもしれません。
ミネラルウオーターが牛乳より高い値段で売られ、それが結構消費されている時代ですからなおさらでしょう。
今静かに日本の国土(土地)が外国人に買われているようです。
大金持ちの外国人が日本の不動産に投資していることは既知のことでしたが、どちらかというとたいした価値がみられないような山林や原野にもその手が及んでいるとのこと。
しかし、もしその地で良質で豊富な量の水が手に入るとしたら、そのままペットボトルにつめて輸出できるとしたら、これはひょっとして儲かる宝の山になるかもしれない? 見方を変えれば日本は大資源国かも....隣家同士の水争いぐらいであればいいですが、これが国同士の争いとなればえらいことになりますね。
投稿者:taka-farm