コメッセージ 195号 2012年 08月号
とカエルが水に飛び込む音があちこちでします。
「ホラホラ.....指の先を見てごらん......大きなカエルがいるよ!」
これは日曜の午後1時から毎週やっているあぜ道散歩で小さな保育園児やら、小学生たちが来てくれたときの一コマで、排水ぶちを歩いているとその先で次々にカエル(トノサマガエル)が飛び込むのです。
子供達は大喜びで潜んでいるカエルを探し、目で追っています。 子供達だけでなく大人達もその多さにびっくりしている様子ですが、何となく童心に返った感じで楽しいようです。
で、先日その排水に大きいのは30cm以上、小さいのでも15cmぐらいの鯉が4匹泳いでいるのを発見したときには、「えっ!まさか、こんな小さな排水(水深40cm,幅50cm~1m,長さ3mくらい)に鯉がいるなんて」と、この私自身が思わず絶句してしまいました。
私が小学生のころはよく竹の一本竿をかついで、ミミズをエサにして近くの川(排水)に魚釣りに出かけたものですが、雨で増水したときなどフナ、ドジョウ、(たまにカニ)はよく釣れたけれども鯉とかナマズはまず釣れたことはなかったです。
小学生ぐらいですから、それらしき"しかけ"や"エサもわからなかったし、ただ"オモリ"と"ハリ"と"ウキ"がテングスの下の方に付いていて、魚がハリに付けたミミズを突っつくとウキがピクピクと動くので、それに合わせて竿を上げると運の悪い魚は口にハリが刺さり、釣り上げられてしまうといった、極めて単純な釣りでしたからね。
でもそのときのワクワク感、楽しさは今でも決して忘れられないですね。
ウキがピク、ピクと小刻みに揺れ、全神経を集中させていると心臓がドキドキしています。
ガクンとウキが沈み込み、とっさにグッと竿を上げる.....竿がしなり大物(といっても最大で20cmぐらいのフナですが)をつり上げたときの感動といったらたまりません。
これを書いている今、ロンドンではオリンピックが開かれ、連日日本人選手の活躍が報じられて夢と感動、興奮を私たちに届けてくれています。
私は純粋に日本人選手の頑張りに拍手しテレビの前で応援をしていますが、やはりどこか質のいいエンターテインメント的な見方で終わってしまいます。
年をとったおじさんにとってはまぁそんなところで十分なのでしょうが、若い世代、そして子供達の心には自分とかけ離れた世界の別次元のことと捉えるのではなく、将来にわたっての生き方のヒント、手引きとなるようなオリンピック、そして選手の姿であって欲しいなと思います。
私が魚釣りに興じていた小学生の頃、豊かな自然の中でごく自然に味わうことのできた、心地よい緊張感、集中力、感動、そしてゆったりと流れる"時"......今の子供達には一番欠けているかもしれないこれらのことを地味ながら少しでも残していくことが、オリンピックとは言わないまでも私ができることかなと考えています。
投稿者:taka-farm