コメッセージ 207号 2013年 08月号
ひゃくじゅ~うく、ひゃくにじゅー、ひゃくにじゅーいち、ひゃくにじゅーに、ひゃくにじゅーさん、ひゃ~くにじゅーよん.....よーし、やったー、全員無事帰還だ!
先月7月28日に田からカモ君達を引き上げた際、その数を確認したところ田に放した時に把握していた124羽とピタリ一致したのです。
昨年と同じく一羽の脱落者(死亡もしくは行方不明)もなかったわけですが、昨年61羽と今年の半分ですから、今年の結果にはさらに大きな満足感があります。つい先日もキタキツネの親子を近くで目撃しており、決して外敵がいないわけではないのですが電気牧柵の設置方法など、長年のノウハウの蓄積が効を奏したのでしょう。
アイガモ農法は平成8年から今年までイモチ病対策の2年間を除いて15年の積み重ねがありますから、カモ自体の行動パターンやら飼育環境の整備、エサの種類や量などある程度のことは経験値として取得できました。
しかし何も問題がないかというと、実はそうではなくて難しさがより増してきたように思います。
ひとつ目はカモ君達の最後の肉処理のことで、何とか頼み込んで赤平市の屠鳥場で処理していますが、そこがいつまで続けてくれるのかわからない状態であることです。
次に雑草対策でヒエやら一部の広葉雑草をカモ君達は食べてくれませんので、除草機を2~3回かけさらに人手で取らなくてはなりませんが、これが肉体的にとても厳しい労働で若い者には苦痛以外の何物でもないですし、60にまもなく手の届く私にとっても3年前に脳梗塞を患ったという健康上のことから、これまたいつまで続けられるかわかりません。
それからヒナの受け入れから最後の肉にして販売の完了まで生き物相手なだけに相当な手間をとられるということで、全体の1/20の面積にもかかわらず感覚的には半分程度の精神的、肉体的エネルギーを注ぎ込んでいる感じがします。
ところで、アイガモ農法がとても負担だといいつつも、今年新しく明治初期のお米"赤毛"を市の商工会の依頼で、わずかですが作っています。
もう穂が出ていますが出穂のときは真っ白で赤毛ならぬ白毛となっており、夏の強い光を受け真っ白に輝く様はとてもきれいです。
こうした光景を140年前に目の当たりにした中山久蔵翁の感慨はいかなるものだったか、想像するに難くはありません。
しかしアイガモ農法と違ってこちらの栽培ノウハウはありませんから、S先輩からいろいろ聞いてこれからの収穫、乾燥、調整に臨みたいと思っています。
今年も大雪や春らしさの無かった寒さでスタートし、いったいどうなることかと心配しましたが、9月の下旬には稲刈りができそうです。
"種をまく者"にだけいただくことのできる"神様の祝福"......でしょうか。
投稿者:taka-farm