コメッセージ 209号 2013年 10月号
おかげさまをもちまして、タカシマファームの稲刈りは先月27日に無事終了いたしましたが、配達を終え帰宅したとき籾の乾燥機張り込み作業中の息子に言った言葉です。
昨年は29日でしたからさらに2日早く終わったことになりますが、稲刈り最終日の記録をあっさり更新したことになります。
春の異常低温で田植えが平年より3日遅れての始まりが、結果的には新記録になるなんていったい誰が予想したでしょうか。
作柄もまずまずで、あまりできのよくない苗を植え、ぬかるんだ田んぼで歩くのもやっとという状態だったことを考えると、よくぞここまで....といった感慨が湧いてきます。
息子の良平がこの道に入って3年目、田の管理をほとんど任せるようにして、私はもっぱらお米の精米、販売の方に力を入れるようになってきましたが、とうとう今年は一回もコンバインに乗ることもなく終わってしまいました。
私も乾燥調整や籾の乾燥機張り込み作業、排出作業などはおよそ半分程度はやりましたが、収穫作業の8割はもう良平がやっているといっても過言ではないでしょう。
この3年間の米作りが息子にはどのような経験値として彼の頭に、そして体に刻み込まれたか気にはなるところですが、高嶋流?のあり方、やり方はおよそわかってきたかとは思います。
でも、ほかに素晴らしい農家さんはいっぱいいますし、なにより同世代の仲間(異業種も含めて)との情報交換、コミュニケーションほど大切なものはありません。
高嶋流+これら外部刺激=オリジナルな自分の道....といったあんばいでこれからのタカシマファームを作っていって欲しいと思っています。
ところで某鉄道会社の事故多発、不祥事は連日のように全国規模でマスコミ沙汰になっており、その企業体質に監督官庁の特別査察まで入っています。
究極のコスト削減を迫られる中で、日常の保守、点検業務がおろそかになり、またそれらを受け持つ人材も育てられていなかった.....ということなのでしょうか?
でもオリンピック開催で沸き立ち、人、物、カネが揃い、さらにこれまで以上に地方から資源をむさぼりそうな所の物差しで考えたって、どうあがいても敵わないでしょう。
スピードとか輸送量とかじゃない、なんかもっと根本的に違う価値観で存在感を出していかなきゃ先がないかもしれません。
私が父から農作業のことから経営のことまで全て任されて最初の4年ほどは冷水害の連続で、日々の生活費を農協からの借り入れで賄っていたことを昨日のことのように覚えていますが、息子への経営まで含めた仕事全般の委譲はどうしたらいいものか... .。
彼には今まで仕事の辛さはあっても米の収穫がないといった厳しさは未知の部分で、突っ立った空っぽの稲穂を眺めたときの空しさは経験していませんからね。。
投稿者:taka-farm