コメッセージ 216号 2014年 05月号
ビニールハウスの中は地獄の暑さです。
先月下旬に種まきを終えた育苗箱をハウスに並べ、灌水して90%光の透過量を抑えたポリの被覆シートを被せますが、その時の暑さといったら半端ではありません。
ハウスの両肩をすかしていくらか外気の涼しさを取り入れるのですが、あまり開けすぎると、ちょっとした風で敷設中のシートがめくれてしまいますのであまり開けられません。
家内と連携プレーで3m×30mぐらいのシートを4枚掛けるのに、汗だくになって、やれもっと引っ張れだの、ズレただの、足りないからこっちに少しよこせだの.....半ばケンカごしになっての作業です。
でも、それにしても今年の春(4月)の天気は異常に暖かく雨が降りませんでした。
記憶にも新しいのですが昨年も4月から5月にかけてはやっぱり異常気象だったですね。
でも今年とは全く正反対の天気で10日以上もほとんど日照がなく、雨や雪の最悪のGWだったのが思い返されます。
寒さで苗の発芽も思うにまかせず、シートも10日以上掛けっぱなしという惨憺たる状況だったのですが、今年はまさに正反対の暑さで種が焼け(煮え)死なないようにするのに、たいへん苦労しなければならなかったのですから、まったく昨年とは真逆の異常さと言えます。
去年と今年、足して2で割ればちょうどいいのにうまくいかないものですね。
ところでとうとう日本でも鳥インフルエンザが発生しました。
中国では何十人(ひょっとして氷山の一角かも)も死んでるとか、隣の韓国では千数百万羽の鶏が殺処分されたとかのニュースが流れていましたから、これは時間の問題ではないかなと思っていたら熊本県での発生です。
と、時をほぼ同時にして豚にも日本各地で豚流行性下痢なる病気が発生しているとのこと.....昔から家畜にこんな流行性の病気があったのだろうか。
そういえばなんかもうずっと昔の話みたいに思っているけれどもBSEなんてのもあって、一時はたいへんなパニックになりました。
こうした病気が人間が動物の品種改良を重ね、給餌や飼育法の研究をしていかに経済的に効率的に生産するかをとことん追求した結果だとしたら、なんたる皮肉だろう。
そして世界中で経済効率の名のもとで同質化が進めば進むほど国の枠を越えて被害の規模は大きくなってきますね。
そんなことで今年当ファームでは残念ながら看板でもあるアイガモ農法を中止しようと思います。
私の農場からさほど遠くないところに北海道でもNo,1の採卵養鶏場があって、何かあったときにはとても責任は負いきれるものではありません。
もはや人知を越えた大自然というもののメニューの中には奢る人類への答えに1/2(足して2で割る)という平均ではなく、限りなく0か1か(あるかないか)しか用意してくれないような気がします。
投稿者:taka-farm