コメッセージ 220号 2014年 09月号
毎年のように8月後半になるとテレビや新聞で全国のお米の収穫予想がでますが、今年もどうやら素晴らしい収穫ができそうです。
京都や広島など局地的な大雨の被害を受けたところはあったようですが、全体では平年からやや良ということで2年ほど前からの在庫も加わり、価格の方は生産者にとってかなり厳しいことになりそうです。
おまけに昨年までの戸別所得補償制度はなくなり、経営所得安定対策のうちのコメの直接支払い交付金という言い方になって、水稲作付け面積10aあたり15,000円が7,500円と補助額がきれいに半分の減額となりました。
所得安定対策と言っておきながらどこに根拠があるのかわからない決め方(いわゆる政治価格というやつでしょう)で、豊作含みと過年度産米在庫増による米価下落と相まって所得は極めて不安定になることは必定で、ますます農家の米離れが進みそうです。
ところで私の父も満で85歳となり、近頃だんだんと日々の行動に?がつくようになってきました。
60歳代後半までお米の生産現場でいろいろ大事な仕事、たとえばハウスの育苗管理で温度を上げ下げするための肩ビニールの開閉や灌水などやってもらったりしていたわけですが、苗半作というように作柄に直接影響する農作業でも最も大切な仕事をやっていたわけです。
昔取った杵柄(きねづか)とでも言いましょうかその感覚が今でもあるのでしょう。
家内が直売所で販売している野菜類のハウスの換気用ハンドルをいつのまにか動かして開けてあったはずのものが閉まっていて、本人もわからないままこれで良かれと思ってやっているようです。
こちらとしては、えぇっ....うそでしょ!この暑いのに閉まってる.....。
ま、とにかくハラハラ、ドキドキの毎日ですが、先日より介護保険で要介護認定を受けて、ディサービスに行くようになりました。
昨年は9月12日から稲刈りがスタートし確かタカシマファーム始まって以来の早さと書いたのですが、今年はさらに早まりそうで5日頃には始まりそうです。
作況もまずまず、早いにこしたことはないけれど父の時代にははさ掛けの稲に積もった雪を払いのけて馬そりで納屋に運び入れ、脱穀機をかけたあとモミ摺、そして出荷.... すべて終わるのが12月も下旬なんてこともあったに聞いています。
まさに隔世の感がありますが、そうした父達の世代はほぼ全て人力と馬力でこなしてきた、体で覚えてきた最後の世代ではないだろうか。
暑い中、もくもくと意味なく家の周りの草削りをする父を眺めつつ....叱ったところでどうしようもないことだし、たぶん自分もそうなるんだろうなぁ....と思う。。
投稿者:taka-farm