コメッセージ294号 2020年11月号
『今はね~....農業は現代の最先端産業と言ってもいいかもしれないよ....広い田畑ではトラクターがGPSを使って自動無人運転の実用目前まで行ってるし、ドローンを使っての農薬散布はすでに実用段階になっているよ....酪農、畜産では何百、何千頭もの家畜のエサやり、搾乳なども一頭ずつパソコンで管理されるようになり、施設園芸では温湿度管理はもとより水や肥料の供給、農薬散布、一部作物の収穫まで自動で機械がやるようになってきたんだ...AIや情報通信技術(ICT)が自然に左右される室外でも十分使えるようになってきたからね....それから農業はただ食料を生産するだけでなく自ら生産した農畜産物を自ら加工して付加価値をつけ、さらにそれを自前や協同の直売所で販売、ファームレストランで調理提供するなんてこともいたるところでやるようになったし、ゆったりした田舎の風景と楽しい農業体験を織り込んだ農家民泊などによる心の癒やしを感じることのできる場にもなっているよ。
最近は農業高校にも食物調理の学科ができ将来のシェフ、パティシエなんかを志望する生徒達がいっぱい学ぶようになったし医療、美容、健康も含め食物栄養学は女子学生の人気も高いね。
バイオテクノロジーはまさにこれからの時代を担う分野だけれども生命の形質、形態を司る遺伝子の研究は品種改良ということでみれば生命を扱う農畜、水産関連の産業だよね...........』
これらは先月初め中学3年の生徒達数人の前で1回15分、3回にわたって入れ替わり農業の未来はすごい可能性があるんだ.....だからこれから自分がどんな仕事につきたいか考えた時に参考にしてもらえたらということを年甲斐もなく熱っぽく語ってきたときの中身の一部ですが、この中学校においては進路選択にあたって普段の授業だけじゃなくてその道の先輩達に仕事の内容、面白さ、喜び、辛さ、厳しさ、やり甲斐等を実体験を交えて話してもらうことで子供達の希望する職業に対する前向きな価値観の醸成につなげたいとの思いのようです。
私も毎回呼んでもらっていて他の職業の方に獣医師、美容師、パティシエ、保育士、警察官、消防士、公務員、日ハム球団職員、ダンス・ヨガ教室先生、アイドルグループメンバー.....多種多様な人々が揃う中、初めはほぼほぼ農家子弟のいない地域ではたしてどれだけの子が農業の話を聞きに来てくれるか心配でしたが、嬉しいことに毎回4~5人の14,5人は来てくれます。
ところで今年2月頃より拡大縮小を繰り返し今また拡大傾向にあるコロナですが、ここへ来てその影響がジワジワと各業界広範にわたってあらわになってきましたね。
特に大変なのは観光、交通、飲食、イベント関連業界とそれらに繋がる前述の農業でしょうか。
Go Toトラベル、イート、イベントとかで政府は躍起になって補助金を出して人の射幸心を煽り、国だけではなく北海道や地元市町村もそれぞれ域内で有効なプレミアムチケットなるものを出して経済対策を打ってはいますが、そもそもそれを使いたくても使えず日々食べることもままならないほど社会の底辺で困っている人がいったいどれほどいることでしょう。
まず自助ありきを謳う新政権が発足しましたが一般大衆の”下層”市民が大多数だった時の自助とこれだけ飽食三昧、格差社会での自助とはおのずと意味合いが違うはずです。
未来を背負って立つ生徒達には今後の日本農業がどのように映ったことでしょう。
投稿者:taka-farm