コメッセージ302号 2021年7月号
「あの~ワクチン打ちにきたんですけれども......」と私の他には誰もいない中で受付の人に声をかけると「はい、接種券と予診票、本人確認できるものを出して.......」と実に簡単に終了。「ここの扉から入って矢印に従って二階の接種会場に行って下さい」....事前の予想ではここで密にならないよう間隔を開けて行列ができているはずのコロナワクチン接種場だったのですが、かなり拍子抜け状態で先月号に書いたあの接種予約受付完了までのドタバタと苦労はいったい何だったのと思わせるものでした。
で、二階に上がると先客は一人しかおらず全くの待ち時間なしで予診票やらお薬手帳を見ながらお医者さんの問診を受けた後、手持ちぶさたそうにしていた(私にはそう見えたのですが)看護師さんに案内されて小さく仕切られた場所で一回目の接種を無事終えました。
15分ほど経過を見なければなりませんから待機場に行くとそこには二人しかおらず、私が座っている間に二人とも帰ってしまい、私のいる間にはとうとう誰も来ませんでした。
ええ~っ....これがつい一ヶ月ほど前には異常!?な予約順番取りがニュースになっていたワクチン接種とはね.....ほんとに最後まで拍子抜けの一回目接種ではありましたが、今、国や地方自治体設置の大規模接種会場、企業や学校単位の職域接種等、一方で必死に接種者を増やそうとしている中でなんともこうしたチグハグさが気になるところではあります。
ところで1年延期、23日開催のオリンピックですがこのコロナ禍と同時進行になりましたね。
管首相は国民の命を最優先にした安心、安全な大会にしますから大丈夫と空念仏のように唱えていますが、開催に否定的な多くの国民や専門家会議の変異ウイルス、間違いなく来襲するであろう第5派に対する強い危機感には全く耳を貸さないようです。
確かに今やめたらこれまで費やしてきた人的にも物的にも超膨大な投資がパーになるのと同時に自分の政治生命が終わってしまうからなんでしょうが、この大バクチが大凶という結果をもたらさないように私たちは息を潜めてパラリンピック終了まで過ごさなければならないでしょう。
いや、正確に言えば災禍の程度によってはこの一連の祭典後ヘタをすると数年間今の巣ごもり状態を続けなければならなくなるかもしれません。
東北大震災と原発事故からの復興をうたい文句に前首相が先頭に立ち誘致したオリパラではありましたが天災とほぼ人災の収拾のメドの立たないうちに続いてのこの世界的な災禍にあっていったいこの日本という国はどうなってしまうのだろう......。
すっかり「復興五輪」という錦の御旗がかすんでしまった今となっては国民はいったい何をめざして頑張り、来る時代にどんな新しい価値観創造を成すべきか国の政治、経済、文化などリーダー達には是非ともその指針を分かりやすく示して欲しい。
でもオリンピックが始まったらテレビの前で「おーっ、サムライジャパン頑張ってるな」とか「アンダー24、結構いい線やってるね」、「誰々がメダルとったぞ!」とかなんとか言って応援に力が入ってしまいそうですが、電波はウイルスを運んで来ませんから世のチグハグからは完全に一線を画しつつ、間違っても感染しないよう自己管理を徹底した期間にしましょうよ。
投稿者:taka-farm