コメッセージ309号 2022年2月号
「あの~こちらT種苗ですけど....申し訳ないのですが、ご注文のエダマメの種が手に入りません」....えっ!...種が手に入らないって...いったいどうして.....?
コメッセージ304号でも触れましたがうちの直売所の超絶人気No,1のエダマメだけに品種にもこだわり、”おつなひめ”という種を頼んでいたのですが、無いらしい。
よくよく事情を聞いてみるとどうも発芽率の問題で発芽が悪く揃わないことが原因のようです。
種として出荷できないというのは80?…,70?…..,ひょっとして50%?...。
皆さんも家庭菜園、花壇、ベランダのプランターなどに野菜や花の種を蒔かれるとは思いますが、それほど発芽率や発芽勢(はつがぜい)を気にされてはいないのでは?
でも農家の使う量は数千粒とか数十キロ、あるいはトン単位、面積も10a(1,000㎡),1ha(10,000㎡)単位にもなりますので使う種の出来不出来は収穫に直結してしまうところから、種苗生産業者はもとより販売する種苗店やJAなども特段気にとめているのです。
うちの農場では種籾だけで500kg弱使いますが、JAから仕入れたのには例年発芽率95%程度以上となっており、そのぐらいあれば問題なく使えることにはなります。
あとは発芽勢ですがいくら発芽率が良くても一時期にある程度揃って芽が出なければ均質な苗に育ちませんから、十二分に吸水させた籾に出芽に最適な温度をかけ一気に発芽させるという手法をとるわけです。
そうしてもハウス育苗期の天候には大きく影響を受けますが、人工的な操作で環境を変えられる最後の期間ですので、この時期の管理の善し悪しがその農家さんの出来秋を左右するといっても過言ではありません。
それでエダマメをどうしようかということですが、野菜部長(家内)の判断で過去の経験等を踏まえやむなく他の品種を選定したものの皆様の評価が気になるところです。
それにしても我が国では未だコロナの終息が見通せませんね...というより2月1日現在、第6派オミクロン株が猛威を振るってほぼ全国的に蔓延防止措置が発令中になりました。
世界的に見ればワクチン摂取率が概ね高い先進国の中でもコロナ対策は当初のロックダウン方式から変わって一様さはなくなり、各国各様の実情を取り入れたどちらかというとウイズコロナ(コロナとの共生)の方向に舵を切った感があります。
日本とは二桁ほども違う新規感染者発生数を前に各国の為政者達も腹を括ったのでしょうか?
一方で冬期オリンピックを抱える中国はゼロコロナ一辺倒で、他の国とは一線を画しています。
が、その中国でもあちらこちらで散発的に感染者が報告されており、ロックダウンよりも厳しい監視、監督の中で一般民衆はどんな生活を強いられているのだろうか。
今月下旬にも冬期大会の評価が出るのでしょうが何となく”○か△”の東京夏期大会と違って、たぶん参加国内でも両極端の◎か×のどちらかになりそうではあります。
種の世界はなるべく均質で性質の優れたもの(多収、良食味、外観、加工適性など=優生思想)が生産されますが、人間社会がこうなってしまったらさぞや住み心地が悪くなりそうです。
投稿者:taka-farm