コメッセージ310号 2022年3月号
「父さん、3月に新しい精米機に入れ替えるのはちょっと難しいみたいだわ~..」と息子(社長)。
消耗品の交換部品の在庫切れもあり新品購入を決断したところ、なにやらメーカーから半導体不足で機械の製造ができないから6月ぐらいまで待ってという返事が返って来たらしい。
今、うちで使っている精米機は私が26年前の平成8年(1996年)に導入し、残粒が少なく白米以外の分づき米にも対応できるもので、多品種の商品ラインアップに適応した機種でした。
しかし経年劣化は少しずつ進み、古い機械とはいえ初期の半導体を含む電子化された部分もあって、万一そこが故障したら代替できる部品がありません.....ということは、ほぼ毎日精米機を動かしている今、急に故障して動かなくなったら即営業停止ということもあり得るわけです。
この手の機械は新品、中古を問わず購入しましょうといっても、車や電気製品のようにすぐ調達できるというものでもありませんし、石取り、異物除去、色彩選別、計量という一連の機械の組み合わせ(プラント)ですから機械に合った設置スペースの確保も必要です。
ですからあらかじめ搬入日時と設置手順を決めて段取り良く一気呵成に一日で、えぃ!やぁ!っと終わらしてしまわなければなりません。
ところでコロナ禍の北京冬期オリンピック、日本の選手達、種々問題あった中でもまずまずの活躍で終了し「本当に良く頑張ったね!!」とねぎらいの言葉をかけたいと思います。
が、それにしても時差1時間の北京だからテレビで観るにも試合時間がちょうどいいのかなと思いきや午前中早めの競技や、やたらと遅い夜の時間帯にあるのが多く選手達にとっては体調の管理、コンディション調整もたいへんだったろうと思った次第ですが、時期が暑熱地獄の夏期東京と同じく、競技時間はとてもアスリートファーストとは言えなかったようです。
IOC収入の3/4を占める放映権料(スポンサー料も入れるとほぼ9割、しかしこれらにかかるコストはそんなにかからないんじゃないの?)を払う欧米の放送会社の都合でとは言われますが、こうした収入はどのように分配、使われているのか私達TV画面で一喜一憂してる者には知る由もありませんけれども、任意団体IOCで上層部の理事、委員にでもなれば金銭や待遇の面で特段の扱いを得る....いわゆる”オリンピック貴族”って言われるほど美味しいもののようです。
2030年冬期五輪札幌開催誘致を目指す動きが顕著になりつつありますが、夏期東京の検証もあいまいなまま現段階で3,000億円(札幌負担は450億円)とも言われる開催費用とその数倍と目される経済効果、後代へ残す正負両方の遺産をも睨みつつ冷静な判断をしなければなりません。
そしてなによりオリンピックを通じて世界で共有しなければならない人類普遍の価値観...平和と自由に生きられる「人権」が最大限優先される開催理念でなければならないでしょう。
冒頭の精米機の更新は故障へのリスク回避もさることながら機械や道具の発達で付加価値をより高めることも大きな目的の一つで、分付き米に対応する精度を引き上げるのと、近年要望がポツポツ見られる無洗米製造機能を合わせ持ったものにするためということもあります。
オリンピック記録更新における人の体力やウェアなど用具の機能性の向上が図られるのは良いとしても、一方で戦争のための武器、情報機器の開発、性能も極限まで高められています。
ただ残念ながらそれを使用するヒト類の思考は停滞もしくは劣化の状態にあります。
投稿者:taka-farm