コメッセージ313号 2022年6月号
ふーん.....なんと!!焼酎に1873(いち はち なな さん)という名前をつけたの?...
斬新なネーミングというか、古い私には想像もつかなかったのですが、先月26日より当ファームで生産している明治のお米「赤毛」を原料にした米焼酎が北広島市内のお酒を扱う小売店さんと市外は2店舗(北広島商工会のウェブサイト参照)で限定販売になりました。
私は原料のお米の生産者として事前に試供品をいただき試飲しましたし、田植えで忙しい現社長に代わって利き酒会にも参加、お酒ソムリエのK氏、製造元の田中酒造の担当者の方からの評価、製造裏話なども聞くことができました。
40度というきついアルコール度数の割にはやわらかな甘みも感じられて、がちがちの関係者の身で手前味噌かもしれませんが、かなりいい感じにできていると思います。
実は1873という数字は西暦年のことで、和暦では明治6年に当たりこの北広島の島松沢で中山久蔵翁が「赤毛」で寒地稲作に初めて成功した年から採用したものだったのです。
価格は500mlで3,300円と焼酎の割にはちょっと高く設定されていますが、なにせ10a当たりの収量が現在作付けされているうるち米や酒米の半分程度と少なく手間もかかるということと、当然製造過程では未知の部分が多くて原料が極めて希少なものだけに失敗が許されないという相当なプレッシャーがあったと思われますのでほぼ妥当なのかなとは思います。
製造本数が少なく限定販売ですので購入希望の方は早めに前述の酒取扱店等でお求めください。
さてウクライナの戦争もいよいよ長期戦の様相を呈してきましたが、政治的にはプーチンとゼレンスキー世界中を巻き込みどちらも引くに引けない泥沼にはまったような状態になりました。
映像ではウクライナ東部要衝の街々は瓦礫の山と化し破壊の凄まじさを見せつけています。
先の号で世界の大穀倉地帯での戦争が春の農作業に影響を与えるのが心配だということを書きましたが、ここに来てどうやらその心配が当たってきたようです。
小麦、とうもろこしなど大量に黒海沿岸港湾からの輸出ができず、貯蔵施設には昨年産のが入ったままで、これから収穫の始まる本年産のものをどれだけ受け入れられるようになるのか。
さらに今年の農作業が戦時下でどれほど進むのか?.....亡くなった父母や近所の方々から太平洋戦争時のことを聞かされたことを思い出します。
恐らく終戦の1945年の事だとは思いますがたんぼの草取りをしていたら突然上空に轟音と共にアメリカの戦闘機が現れ、機銃掃射や爆弾投下は無かったものの操縦席の人の顔がわかるほどで怖くて急いで草藪に身を隠したといった内容の話でした。
今、ウクライナではいつ爆弾やミサイルが飛んでくるかわからないという中でまともな農作業ができるのか?....農業労働力として必要な若者がどれほど戦場に駆り出されているのか?
両国で小麦の世界流通の3割を握っていて新たな飢餓の発生が現実味を帯びてきています。
日本はカロリーベースで自給率38%、基本的食糧の麦、大豆といった穀物だけでは2割もあるかどうか、さらに食肉用家畜、鶏卵向けのエサはなんと10%未満!だそうですが...残念ながらお酒は嗜好品でいくら呑んでも食糧の自給率向上には繋がらないらしいです。
投稿者:taka-farm