コメッセージ314号 2022年7月号
皆さんはお米の購入に際し四角い枠で括られている「一括表示欄」を確認していますか?
まずほとんどの方が見られていない=気がついていないのではと思いますが、今年の3月27日(もちろん多少の猶予期間はあります)より一部変更になったのです。
これまで精米年月日という欄が精米時期(○月上、中、下旬標記OK)というふうに変えられたもので....えっ、それってどういうこと?.....とにわかには理解できないかもしれませんね。
実はその理由としては大きく二つのことが関係していて、まず一点目は食品ロスをできるだけ少なく抑えようということから来ているようです。
先月のコメッセージにも書いたようにわが国ではカロリーベースで自給率38%しかないにもかかわらず、まだ人が食べられるのに捨てられ廃棄される食品が年間600万トンもあるという現実、これを少しでも少なくするための苦肉の策の一つが食品類の表示の見直しです。
米の場合、一般的に精米日が新しいほど美味しいという通説がまかり通っているようで、確かに当たっている部分もあるとは思いますが、作っている農家サイドから言わせてもらえば始めから美味しくない米はいくら精米が新しくても美味しくないのですけどね.....。
消費者心理としてなるべく新しい物を選ぶと結果的に商品棚に古い物が残り最後には売れ残りとして処分されるというわけで、表示を月日から上、中、下旬と少々曖昧な表現にして判断の目安を鈍らせようという目論見ですが、それでロスが減ればまずは良かったということですかね。
二点目は配送の部分でコンビニ弁当でも問題になりましたが新しい物を置くということはトラックなどの配達も頻繁になるということで、燃料消費もさることながら人手不足でドライバーの負担が増え人員確保もままならないという労働現場からの切実な要望もあるようです。
さて参議院選挙、これを書いている今(6月29日)は運動期間真っ最中で結果はわかりませんが、一つだけ分かっていることは恐らく投票率は50%あるなしになるだろうということです。
スウェーデンでは直近の国政選挙で87%以上だったといいますから彼我の違いに暗澹たる思いですが、特に20代若年層の投票率に倍以上の差があって単に18歳に投票年齢(成人年齢)を下げて事足りたことにしていては日本の未来は途方もなく暗い物になってしまうでしょう。
先進国でどうして日本だけ給料が上がらないのか、戦争と円安で自給できない食品や工業原料、エネルギーなどの物価高騰、権威主義国に対する安全保障、待ったなしの環境問題....直接、間接問わずこれからを生きる若者にとって人生を大きく左右するに違いありません。
東京、関東一円では6月下旬にこれまで最速での梅雨明けが発表され猛暑日の灼熱地獄が続きましたが、例年からいってたぶん8月末頃までこうしたことが続くのでしょう。
人々は外の仕事はおろかあまりの暑さに熱中症を恐れて外出すら躊躇するようになっています。それでも外界の生物界と違ってエアコンで涼しさを得られるだけまだマシかもしれません。
しかし電力需給が逼迫するなかで一時の小手先の涼に浸っているうちに自然界の変容、そして激変する世界を知ろうともせずある時突然に気がついたら背筋が凍り付くような.....こんなハズではなかった、投票しとけば良かったといった事態になっていなければいいのですが。
投稿者:taka-farm