コメッセージ320号 2023年1月号
昨年は暮れに一年の漢字で「戦」が選ばれ、2月末以降毎日のようにプーチン、ゼレンスキーがマスコミに登場したように戦争とそれに伴う世界的なエネルギー、食糧、経済などの危機が突出した、まさにまさかこんなことが......というような年でした。
年頭の言葉を紡ぐに当たっては昨年の巨大な「負」の部分、そして終わりの見えない「コロナ」を引きずったままのわけで、何かしらの抵抗感もありますけど私に不相応に大きなことは論ずる能力もありませんから身近な事で時節柄「希望」のあるような話を記したいなと思います。
なんと言っても地域の大きな話題といえば日ハムのドーム球場の竣工、開業でしょう。
そしていよいよ3月末からは新庄監督率いるファイターズのプロ野球の試合が始まります。
私も遅ればせながらファンクラブに入会し開幕戦のチケットの申し込みをしましたが、果たして抽選に当たるかどうか.....今年の運試しにはもってこいかもしれません。
そしてここには球場を核として様々なエンターテインメント、スポーツ、教育などの体験施設、レストランなどの飲食店があって楽しみ方がたくさん用意されています。
石狩平野の一角にできたこのFビレッジパーク、西は野幌原始林につながり北、東、南は広大な農地の沃野が見渡せるという他の日本の球場とは明らかに立地の態様が異なります。
いかにも北海道らしい景観と施設群をもって明治以降の開拓フロンティア第Ⅱ幕構築の最前線に立つような、そんな存在に是非なってほしいものだと思いますし私達も傍観することなく我がこととしてこのパークとともに農業の更なる発展を期すよう歩まなければならないでしょう。
ただ、こうした思いは間近でお米、野菜を作り直売所も運営する専業農家だからこそなおさらなのでしょうが、ここ北広島もご多分にもれず若年後継者が少なく高齢化の進展と遊休荒廃農地の増加が見られるのは、他の日本各地の農村とさほど変わりません。
そんな中、近年まだ少ないながらも新規就農者(異業種から自営参入)より農産関連企業就職者の人の方が多くなってきて、そこを出発点に将来的に自営を目指す動きが広がってきているとの話がありますが、農業のAI化と働き方に対する若者の価値観の変化が大きいと思います。
日本の場合、石炭石油、ガスなどのエネルギーと同様、食糧も世界的な有事の際に入手困難と価格高騰にさらされるわけですが、農業は先端産業という時代にあって無くてはならない生きる糧を生産している、あるいは周りの自然環境とともに生きているという実感が得られることなどの要素が大きく若者の琴線に作用しているのは間違いないでしょう。
今まで幾度か記したように私の若かった時代は農業は3K、すなわち「汚い、きつい、危険」の仕事で当時(1970年代)新規で後継者として農業に従事する人の数が日本国中でトヨタ自動車の新入社員より少なかったし新しく医者になる人の半分もいなかったのですが、その時『こんなに農業をやる人間が少なくなって将来日本は「車(工業製品)」だけで食い、元気で健康に生きるのは食ではなく「医療」になってしまう.....』のかと思ったものです。
今は「きれい、格好いい、環境がいい、稼げる、休暇がとれる」の5Kと勝手に思っていますが、
プラス[感動、希望]の2Kで7Kにして若い農業志望者の方々には捧げたいと思います。
投稿者:taka-farm