コメッセージ No.39
暑かった7月も終わり少し夏ばてぎみの8月を迎えましたが、皆様はいかがでしょう。
田ではとんぼがスイスイと飛び回り、昔、網をもってよく捕まえたこと、そっと近寄り指をぐるぐるまわしとんぼが目をまわしたすきにさっと手で捕まえ、しっぽに糸をしばって飛ばしたこと、夕焼けの頃、幼なじみの「みちこ」ちゃんの家から帰る時に真っ赤な空をバックに無数のとんぼが、それこそ顔にぶつかるほど群れていたこと………そんな思い出がどんどん湧き出てきます。
「あかとんぼ」という日本人なら誰でも知っている歌がありますが、この歌ほどふるさとへの郷愁を誘う歌もないのではないかと思われます。
私は今、自分の生まれた所に住んでいて遠くの故郷を想うなんてことはないはずなのに、でも時とともにどんどん変わってゆく自分の生地と、車もテレビも、冷蔵庫もなかったけれどフルチンで泳いだ川があり、味噌をつけて食べたでっかいキュウリがなっている畑があり、亡き祖父がどじょう捕りのために網をしかけた排水があった……あのころを想い比べてみたとき、本当にとっても素敵な時を自分は過ごすことができたなぁと自信をもって言うことができます。
私の子供たちがポケモンやテレビゲームに夢中になるように、私は川面に浮かぶ浮きの動きに全神経を集中させ魚釣りに熱中していたのです。
子供たちには大物を釣り上げたときのあの興奮をぜひとも味わさせてあげたいと思うけれども、基盤整備、土地改良が進み排水がコンクリートで固められている現状では残念ながら良いポイントもありません。
30数年前は確かに、学校から帰ると竹の一本竿をかついで親に見つからないようにして(万一見つかると仕事を言いつけられた)10分も歩けば、そうしたポイントに行くことができたのです。
話は変わりますが、先月19日に住宅の上棟式を行いました。
皆さんには今まで何も話しませんでしたが、2年ぐらい前から計画は立てていて、今春やっと実現にこぎつけたのです。
今住んでいる家はまだ24年ぐらいしか経っていないのですが、2世帯で住むにはとても使いづらいこと、子供達も大きくなり、8畳弱の部屋に3人を押し込めておくのはもう無理なこと、仕事、営業の内容が多様になってそのための来客への応接と事務をする部屋が必要なこと、私の年齢(45才)からして公庫の借り入れが限界ということなど理由はいっぱいありますがなんといっても妻、友季子の長年の夢………すなわち自分の思いのこもった、ライフスタイルに合った家に住みたいという強い欲求があったことが一番大きな理由です。
農業経営の借金もかなりある中で父は家を建てることに反対していますが、それも十分わかっていての新たな住宅ローン借り入れだけによっぽど性根をすえてかからなければならないと思っています。
家を建てて経営を潰したんではいい笑い者になってしまいます。
昔から「稼ぎに追いつく貧乏なし」とは言いますが、この頃はほとんど背中にくっつくか、へたをすると自分の前を行く貧乏もあるくらいで……ただ絶対に「心」の貧乏にだけはならないように……「じぶん」を見失わないように。
投稿者:taka-farm