コメッセージ No.76
先日中学の野球部の試合を観に行った時の一コマですが、それにしても我が息子の成長ぶりには驚きました。
中1の夏だったかに息子とキャッチボールをしたとき、ずいぶんとぎこちない球の受け方をするなぁと思っていたのですが、中2になってレギュラーの座を獲得したというので前述のごとく観に行ったら結構いい線やっとるではないのですか。もしもあの打球を取っていたら超ファインプレーで思わず私もガッツポーズをしていたに違いない.....あぁやっぱり親ばかかなぁ。
でも遠くで小さく見えている息子が何となく大きく見えてきてちょっと嬉しかったです。
次は下の中1の娘の話なのですがテニスを始めて5年目、先日滋賀県で開催された全国大会に元気に行ってきました。
と言っても驚かないでください、彼女の先輩が出場するというので応援部隊の一人として行って来たのですから。
しかしそんなようなことで今はとにかくほとんど毎日、数時間の練習を休まずこなしているようです。
彼女曰く「私、絶対強くなるんだ!」.....と、よくもまぁ飽きもせず続けているのです。結局夏休みはどこにも連れて行ってあげられなかったけれども、自分たちの意志で自分のやりたいことを目一杯やっている姿に親としては安心するやら、感動するやらで自分の思いの外に、もはや彼や彼女が至っていることを感じることができました。
このことがひょっとして今年の寒い夏の一番の「収穫?」かもしれません......ただその収穫にはそれ相応の経費もかかりましたが....息子には新しく外野手用のグローブ、娘には滋賀県までの旅費......あっ痛っ!....。
それにしても今夏の涼しさ、日照不足には参りました。 先月のコメッセージで「昨年のような寒い8月にならなければいいが」と書いたけれども、結局悪い方に当たってしまいました。しかも昨年よりもさらに悪く、田の取水口やら防風林の日陰部分など不稔穂が相当目立ちます。
もっとも怖い稲熱(いもち)病もでているぞというような話も聞こえてきておりますし、9月1日現在ではまだはっきり把握できませんが私のところで平年の8~9分作ぐらいになりそうな気配もあります。
”アイガモ農法米”はすでに品切れとなっていますが、来年もそうなるかもしれません。それから”ゆきひかり”はとにかくこれだけしか食べられない人達向け作っているために、なんとしても供給は続けなければなりません。ですから13年産米でできうるかぎりの供給をしていって無くなってから14年産米に切り替えようと思いますのでどうぞご理解をお願いいたします。
というようなことで当ファームでは来年の収穫期まで供給に支障をきたさないようにといろいろ考えているわけですが、一方北海道全体では生産調整のための”青刈り”を実施しているのだから、何か気持ちは複雑です。
先日、南幌町を通っていたときに真っ青な稲を刈り倒したばかりの田が目にとまったのですが、まずまずの補償が得られるとはいえ当該農家の心情を思うときさらにその思いはつのります。
あくまでも需給のバランスを維持して経済作物たらんとすることをJA、行政は背負わされていることから年ごとの単年度方策として行っているのでしょうが、収穫目前での放棄にはやはりマイナスのイメージがつきまといます。
休耕、転作が始まって30年余り、紆余曲折を繰り返しつつ根本的な食料自給のための構造改革がなされないままに、ことここに至ってしまいました。
30歳のバリバリの若手農業者も30年経てば残りの農業人生、どう過ごし終わらせるかが嫌が上でも考えなければならない60歳です。自分は自分で納得のいく「収穫」ある人生を生きたい....少なくとも60歳を過ぎてから40代、50代を振り返ってあの時ああすれば良かったとか思わなくともいいような、そしてさらに先に行く道を迷うことのないような....ものだといろいろな「収穫」にひっかけて思い馳せてはみたのですが、さてさて明日の計画もよう立てられない者の10数年後、いったいどんな姿となっていることか????????。
投稿者:taka-farm