コメッセージ No.79
ご存知の方も多いことと思いますが、昨年に続いて今年も値崩れで価格は暴落、 とうとう産地廃棄して価格維持を図ったいう次第。同じ農業者として実に情けなく辛いことです。
せめてもの救いはそのタマネギが堆肥化されて土に還元されることだろうか。...むろん収穫までにかけた膨大な投下エネルギー(肥料や燃料、農薬、労働など)などとは比ぶべくもありませんが。
それにしてもいつまでこんなことを繰り返すのか....たぶん経済のグローバリズム化信奉や市場経済万能を標榜し続ける限り永遠に繰り返されるに違いないでしょう。
もし天上に神がいるとしたらこの様子を何と見るだろう?....いやほんとにため息のでる仕事ではありました。
話は変わってアイガモ君たちのことですが、先月の23、24日と両日にわたって141羽の解体処理をどうにか終えることができました。今年は昨年までやっていた新篠津の処理場が経営者の病気のため使えなくなってしまい困り切っていたところ、縁あって当ファームの田んぼでアイガモの観察、研究を行っていたR大学、M先生のはからいでそこの施設を使わしていただくことができたのです。
M先生や羽毛抜きを2日間にわたってやっていただいた学生諸君には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
とかく現代学生気質は.....云々とそれを憂える話ばかりが取り上げられる昨今ですがR大は実学を重んじる気風でしょうか、その学生たちはいやがる様子でもなく、極めて単調で立ちっぱなしの辛い仕事を全うしてくれました。改めて今までの自分の固定観念を恥じたところです。
そして、気がつけば今まで7年間のアイガモ農法の経験がありながら、実は肉のさばき方を何一つ修得していなかった.....のでした。
あぁ何ということでしょうか、偉そうに「アイガモは最後、肉にまでしていただくことがこの農法の究極の姿」だなんて言っておきながら、このざまです。それで「ええぃ!この時こそやってみるべ」と初めて包丁をとってはみたものの元来のぶきっちょ、なかなかうまくいかない。
つぼぬきで50羽ほどさばいた?ときには手はカモの骨に当たって傷だらけ。ケガの功名とでもいうべきか....やればなんとかなる....来年はぜひとも精肉のさばき方に挑戦してみましょう。
およそ半数を大学の皆さんにお礼の気持ちで差し上げ、とにかく無事今年も、当ファームのアイガモ農法はTHE ENDとなりました。
ただ、まだ来年に向けての大きな課題としてアイガモの肉処理施設をどうするのか、これから仲間と詰めていかなければなりませんが....。
投稿者:taka-farm