コメッセージ 109号
通い作の長沼の農道でかあちゃんの友季子、働きに来てくれているワークセンターの T氏、S氏らと少々遅めの昼食をとりました。 ほの暖かい風が気持ちよく吹き抜けていきます。
しばし冗談などを交わしながらの昼食では田植えを終えたという安堵感もあって気持 ちもより和みます。
水面の輝きのなかに今植えたばかりの苗が浮かんで見えます。
畦の緑、たんぽぽの黄、青空と心地よい風、ついついうたたねをしてしまいました。
「おっと、さてあとかたずけやるか!」と私のかけ声で皆が動き出し、それぞれの持ち場に戻って仕事につきます。
と、ここまでは良かったのですよ・・・・・ 田植えも終わって多少の後かたづけをして今晩は少し早めに家に入れるだろ う・・・・と思っていたのに・・・・・携帯がかかってきて明日アイガモのヒナが大 阪より届くからとのこと・・・・・え~っ、うそだろう・・・・・まだ何もヒナ受け 入れの段取りをしていないのに。
今年は昨年より30羽多い180羽で始めることにしているのですが、飼育箱、暖房装 置、それを覆うビニールハウス、さらにそれを囲む外敵防御のための電気柵、防鳥 ネットなどの設置、さらにカモちゃん達の遊び場になる池の水張り・・・・・なんだ かんだいって二日近くかかることを全くやっていなかったものだから、昼間のうたたね 気分がいっぺんに吹っ飛んでしまいました。
いつもは1週間ぐらいの余裕があって事前に準備万端で迎えられるのだが、今年は ぶっつけ本番でいかなくてはならなくなってしまったのです。
おまけに暖房用のヒーターが壊れているというおまけまでついて、新たな方法を考えなくてはならないときた。
カモは生まれてまもなく母鳥のあとついて水面をすいすい泳ぐぐらいなのに、寒さに は弱いらしく夜間などヒナ同士、団子になって集まり、結局弱いヒナが下敷きになっ て死んでしまうことが多いのです。
それで暖房を効かして集中を避けなければならないのですが、さぁてどうしたもんか ?
この顛末は次号でお知らせすることにしましょう・・・・・。
ところでJR西日本の脱線は本当に凄い事故でしたね。
時速100km以上で物体がぶつかった時の衝撃は、事故の映像が余すところなく伝えて くれていますが、原因は利益優先の過密すぎるダイヤにあるということが指摘されています。
他社との競争に勝つために、自社の売り上げを伸ばすために"安全"ということを犠牲 にしてきたツケが回ってきたと言われています。
一瞬にして大勢の方が亡くなり、負傷するという痛ましい光景は、その危険性、リス クみたいなものを実にわかりやすく伝えてくれますし、それへの一般市民の反応もとても早いものがあります。
ところが同じ危険極まりない(と私は認識している)事柄のことでもその対極にあるのが「食」の問題ではないだろうか。
飢えることもなく、栄養だってさほど問題はない・・・・・はずなのに・・・しかし少しずつ着実に人々の"健康と心" に傷を負わせ続けている。
当然、大方の人々の反応も鈍くなるのはしごく当たり前のことでしょう。
今、「食」の生産現場に求められている、コストを削減し外国との競争の中でもやっ ていける選ばれた"担い手"による経営を・・・・・ということを追求していくとどうし てもJR西日本のように"安全"が瓦解してしまう危険性をはらんでいるのです。 この危険性はJR西日本の利用者だけでなく、日本国民が等しく被らなければならない 点でははるかに前者より大きいと言えるでしょう。
投稿者:taka-farm