コメッセージ 157号 2009年 06月号
先月、例年より1日早く終わった田植えでしたが後半の3~4日は16km離れた長沼町の田んぼまで延べ40台ほどの苗を運ばなければなりません。
3台のトラックで次々とピストン輸送するわけですが、16kmの距離を20分ほどの時間で走ります。
1台は田植機について現場で苗の供給、1台はまさに農道を走行中、そしてもう1台は育苗のハウス内で苗を積み込み中・・・・・このパターンで田植機を止めることなく一日動かしていくわけです。
こうして一日に2.5~3haの田植えを行うのですが、それぞれのパートがそれぞれの役割をキチッと果たしてこそ作業はスムーズに進むのです。
でも、それにしても7、8年この道を走りつづけてきたけれども、少しずつ変わってきていることがあります。
それは確実に水田の面積が減ってきているということです。
確かこの場所は去年まで田んぼだったはずなのに今年は青々とした麦畑になっている。
あそこは大豆畑に変わってしまった。
かつて長沼町は、町としては8,000ha超の日本一の米の作付け面積を誇ったこともあったと聞くが現在は転作が進んで水田の面積はかつての1/3もあるなしだという。
米の生産調整を目的に転作政策を進めた日本政府、農水省のいわば優等生とでも言うべきか、離農と規模拡大も相まってそうした転作畑では100psを超えるような大きく、立派なキャビン装備のトラクターが動き回っている。
麦や大豆などの畑作物は機械化が進み、ほとんど手作業することもないので大面積をこなすには都合が良いし、やはり奨励金が大きな魅力で米を作るより収益があれば、こうなることは当然の帰結と言えるでしょう。
ところでいよいよアメリカのGM(ゼネラルモータース)が破産するとか・・・・そんなことをマスコミが報道しているが、なにか隔世のの感があります。
私が小学生のころは確かGM一社の売り上げが当時の日本のGNPに匹敵するとか言われていたはずで、物造り大国であったアメリカのまさに世界最大の超巨大企業の凋落には本当に驚くばかりです。
アメリカが物造りから少しずつ撤退し労働費の安い国々に委ねるようになって、その分、ソフトウエア部門や今や世界不況の元凶といわれる投資銀行、ヘッジファンドに代表される金融に活路を見いだしていこうとしたことが、遠からずこうした結果に結びついているのではないだろうか。
アメリカが未だ超大国であるのは圧倒的な軍事力と農畜産物の生産力、そしてそれらを支えるハイテク技術力を保持しているからにほかなりません。
さて、軽トラックは成りも小さく安価で使い勝手が実に良いものです。
小回りがきいて狭い農道でも方向転換が容易ですし、ちょっとしたぬかるみでも4駆でほとんどのところは走行可能、畑の中もOKと農家にとってはなくてはならない存在です。
排気量は小さいが、定量積載であれば高速走行だって全然問題ありません。
GMはトラック部門でピックアップ?というのでしょうか、排気量が大きくてエンジンルームが運転席より前方に出ている形で荷台はどちらかというと小さめ、仕事よりもレジャー向きに使えるといったタイプの車をずいぶん造って販売に「チカラ」を入れていたようです。
でも現代のエコの時代に消費者には受け入れられない車でした・・・・・・・・ ・一見、国産麦や大豆は"食"の問題のなかでずいぶんと求められているようでもあります。
国はふんだんに奨励金を出し、農機具にも補助金を出して強力に後押ししています。
前述のごとく手間暇が米より格段にかからず、しかも収入が多いから農家は作りますが、でも実際どれほど求められているのか・・・・・わかりません。
投稿者:taka-farm