コメッセージ 168号 2010年 05月号
いやぁ~寒っ!....今日もまた雨かぁ....
もう、出てくるのはため息ばかり。
今年の4月はこれまで農業を継いで34年ほど経験した春の中でも1,2を争うほど悪い天候で推移しました。
3月の雪解けの遅さに4月の寒さと多雨が重なって、作物によっては1週間から10日以上も作業上の遅れが出ているものと思います(道新の一面の記事にありましたね)。
昨年はこれ以上乾かないというほど乾燥して4月末にはバンバン、トラクターで田んぼの中を走り回れたのですが、今年は田んぼ全体があたかもプールになったかのごとく、白く水が溜まった状態になっています。
このありさまでは田がぬかるんで「田園交響楽」の売りのひとつである堆肥の撒布ができそうにありません。
そしてなにより田起こしがあたりまえにできるかどうかすら危うい状況です。
そんな作業の遅れの中でも稲の種まきはなんとか昨年と同じ日に終わりました。
今の育苗ハウスの場所に移転して10年以上経過していますが、今年初めて除雪機を借りてハウスの外に投雪してどうにかこうにか間に合わしたというのが実態ですけれども、問題は種が揃って出芽し苗が順調に育ってくれるかどうかで、今後予断を許さない状態が続きそうです(4月30日現在)。
育苗ハウス6棟で一万箱弱の苗の管理は私が田に出ている時はもっぱら家内がやってくれており、こうした不順な気候条件下ではますますたいへんな思いをすることになります。
大風が吹けばハウスのビニールが破れそうだから押さえのバンドを締め直さなきゃ.....とか、スプリンクラーによる灌水中にパイプが破損してハウス内が水浸しになったとか、逆に晴天時、すぐに水をかけなければ苗が萎れてしまいそうだというときに限ってポンプのエンジンがかからないとか....まぁ、これでもかと言わんばかりに私と家内のもめ事の"種"の芽が一斉に揃います。
その度に「日頃の点検をちゃんとしていないからでしょ」と言われ、こちらは返す言葉もなく、「オレだって遊んでいるわけじゃないから....」と売り言葉に買い言葉で苗の前で険悪な雰囲気に。
これでは子育てといっしょで"苗"は丈夫で元氣にまっすぐに育ってくれませんよね。
ところで我が家には水道が来ておりません。
え!っと思われるでしょうが何せ街から遠く一軒家だったものですから昔から井戸水での生活だったのです。
地下160mから常時自噴しており生活水以外の水は庭の池に引いて溜めております。
これがちょうど育苗期間中大量に使用する水の大事な水源となっておりたいへん重宝していたのですが、近年湧出量が最大時の1/3ぐらいにまで減ってしまい、一時的に溜まる量よりも使用量の方が上まるようになってしまいました。
これは前述のような突発的(と私は解釈している)なトラブルとは違って事前にきちっと対処しておかなくてはなりません。
で、先日井戸のパイプに細長~いホースを入れコンプレッサーで圧縮空気を送り込んで掃除をしましたところ見事に湧出量が復活しまして、アァこれで家内とのトラブルの種が一つ無くなったと安堵しておったわけですが、世の中すべからく万難を排して準備を怠らなければ失敗なんてしないはずなのに、それができないのがどうも家内に言わせれば私の性らしいです。
まぁ、天気相手の農作業に毎日を過ごしていると"出たとこ勝負"で「ま、いいか」と言う具合になってしまうんですね。
昨年のように出だしは最良でも夏の異常な長雨、冷夏がたいへんな被害をもたらすこともありますし、今春の異常気象については出だしはさっぱりだったけど、最後にはまずまずの収穫だったなぁ....と言えるような、そんな年になって欲しいものです。
投稿者:taka-farm