コメッセージ 177号 2011年 02月号
朝起きて恐る恐る窓から外を覗くと、雪がしんしんと降っている。
あぁまだ6時か?....もうちょっと寝るべー....とばかりまたふとんに入る。
いったん外の景色を見てしまうとなかなか眠れないもので、何度か寝返りをうちながらグズグズしていると家内が「あんたっ!ちょっと除雪しないと車が出せないじゃない」と最後通牒を私に突きつけます。
このあんばいだとトラクターで大急ぎでやっても小一時間はかかるかもしれない...と冷たい水で顔を洗って一応シャキっとして7時過ぎに外に出るも、まずは裏口からトラクターのある車庫まで50mほどサッっと雪かきをしながら行かなくてはなりません。
何年か前にいきなり朝の除雪をやっていた時にギックリ腰をやってひどい目に遭ったことを思い浮かべ、あ~あ本当に雪のない国に行きたい.....。
で、ほどなく除雪を終え、今度は娘を駅まで送らなくてはなりません。
10分少々の距離ですから冷え切った車内も暖まることなく、路面状況の悪さと行き交う車とのトラブルに気を付けながらの運転ですから、娘と心温まる?会話も途切れ途切れとなってしまいます。
「お~い、何をもたもたしてんだよ」....「おっと、アブねー.....」渋滞やら車のスピンやらで親子の貴重な時間がイライラの中で過ぎ去ってしまいます。
今冬は日本海側地方各地で大雪となり私の所でも、長沼町の田んぼにあるD型ハウスの屋根に多いところでは120cmぐらい積もって、とうとう雪下ろしを2回もやるハメになってしまいました。
ただ雪下ろしだけではまだまだ心配ですので、今度は中からつっかえ棒をあてます。
幸いにも建物の中につっかえになりそうな棒が十数本かありましたので全部で10本ほどあてがうことができて、ほっと一息といったところでしょうか。
ニュースでは道内はもとより日本全国の積雪地帯あちらこちらでビニールハウスの倒壊が相次いでいるようです。
北海道でも屈指の大雪地帯、岩見沢では百数十棟が倒壊、その被害額はおそらく1億円に迫るものと言われています。
いったんつぶしてしまうとこの大雪とシバレのなかでビニールと曲がった骨組みのかたずけ、そして新しい鉄パイプの骨を建ててまたビニールをあてる....といった作業をしなくてはなりません。
そして今月には玉葱、長ネギなど種まきをしなくてはなりませんから、当然中の土も乾いていなければなりませんので、事は大急ぎでやらなければならないわけです。 ......が、ここで大問題が....というのもその材料となる鉄パイプとビニールが手に入らないのです。 いっぺんに需要が出るわけですが供給が全然間に合わないという事態になり、しかも値上がりしますので、気持ちの上では普通の更新の10倍以上もの負担感を持つのではないでしょうか。
かくして、こうした事態が離農のきっかけとなるのです。
今月は道内各地で雪や氷の祭典があって、中国をはじめとして外国からは大勢の観光客が訪れ、かなりのお金を当地に落としてくれるようになりました。
観光産業、水資源としての雪氷の恩恵と相対する交通、家屋の除排雪、農業における災い、この両者をうまく均衡あるものにできないのだろうか....と"天"の神様に聞いても詮ないこと。
火山による景色や温泉が湧く恩恵を受け、そして雪は降らずとも大量の灰が降ってこれまた災いを受ける....これも"地"の神様に聞いても詮ないこと。災い転じて....ほんのちょっぴりの福と成すとでもでいきましょうか。
投稿者:taka-farm